秘めた極楽-5
5.
由貴には、博史の誘いが嬉しかった。
何の疑いも持っていなかった夫に裏切られ、すっかり自信をなくして途方に暮れていいる今、博史に誕生ディナーを祝ってもらった。胸に溜まっていた愚痴を吐き出して、赤いバラの花束のプレゼントをもらった。
(捨てる神あれば拾う神あるか・・・博史さんとは相性が良さそう・・・)
その夜、夫のいないダブルベッドに潜り込む。
ゆっくりと風呂に浸かった肌が、しっとりと掌に吸い付く。
乳房を掌で覆い、揉み上げる。
子宮に疼きが走る。
(皮肉なものね、夫がいるときはいつでもできるからと、セックスには淡白だったのに)
指先が乳房を離れて、下に降りていく。
腹を撫で、恥毛を探って、クリトリスへ・・・。
まるで無いものねだりの様に、性欲が湧いてくる。
割れ目を探った指は、既にヌメヌメと濡れている。頭を固くしたクリトリスを摘んでぷりぷりと弄る。
サイドテーブルに、博史のくれた赤い3本のバラが、ベッドランプの灯に浮かんでいる。
(3本の赤いバラの花言葉は“I love you”。博史さん、貴男、あたしが好きなんでしょう?)
そうでもなければ、子連れのバツイチ女をディナーに誘ったり、バラの花束をくれたりするわけがない。
「いいのよ、博史さん、あたしだって、貴男に気が無かった訳じゃない、あたしはもう自由なんだ」
分かれた夫と、夫の助手の梨花が裸で絡む姿を想像すると、嫉妬に胸が張り裂ける。梨花が開いた股に夫が被さり、勃起をしたペニスが、汁を滴らせながら今まさに膣口に嵌った。気が狂いそうになる。
「いいんだよ、やりたきゃやりなさい、あたしだって相手がいないわけじゃないんだ」
筋肉の盛り上がった博史の胸が、目の前にある。
バラの花の影から、博史のいきり立ったペニスが現れた。博史の胸に抱かれて踊っている最中も、しばしば男の象徴が腿に当たった。
(奥さんとは上手くいっていないのかしら?)
腰を引いて誤魔化す博史が可笑しくもあり、いじらしいとも思った。
「いのよ、博史さん、あたしの好きな博史さん、貴男のペニスを思い切り入れて頂戴」
由貴は、愛液にまみれた中指を、花心に突き立てた。