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秘めた極楽
【熟女/人妻 官能小説】

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秘めた極楽-17

17.
 それから15年が過ぎた。
 由貴、60歳、博史は70歳の古希を迎えた。

 博史は既に会社を退職して、ボランティアとして区の生涯教育センターでダンスの指導員をしている。ダンスを続けている所為か、時たま風邪を引く位で健康長寿を全うしている。
 由貴も、相変わらずダンスクラブで博史のパートナーを続けながら、博史の指導を手伝っている。

「奥さんとはどうしているの」
 由貴には、矢張り博史の妻のことが気に掛かる。
「君は気に病むことはないんだよ。世の中にはセックスに抵抗感を持つ人も居るんだ。俺はいつでもやりたい方なのに、かみさんは煩わしいと思うだけで、悦びが分からない。君と付き合うようになって、かみさんとは段々とセックスレスになって、やる、やらないのストレスが解消したんだ。むしろ夫婦仲は前よりも上手くいってる」
「そう、それを聞いて安心したわ、貴男は、私の博史さんでいいのね」


 今日は築地の場外、寿司屋のカウンターで由貴の誕生日祝いだ。
「年取ると、やっぱり寿司だなあ」
「若いときはスペイン料理が好きだったけれど、もういいわ」
「量も食べられなくなったし、こうして好きなネタを好きなだけ食べられるのが良いわね。特にマグロなんかは、血管寿命に良いって言うから、年寄りにはもってこいね」
「おい、人を年寄り扱いすんなよ」 
「貴男は若いわよ、それはあたしがよく知っています」
「君も変わらないなあ」
「60よ、立派なおばあちゃん」
「いやあ、ぜんぜん歳取った気がしない、ちっとも変わらないよ」
「じゃあ、これから試しに行く?」
「オーケー, 古希のパワーを見せてやる」


 タクシーを飛ばして、由貴の家に向かった。
 いつもは、博史の車で通い慣れた道だ。ダンスを始めてから、飲むなら乗るなを励行している。
 由貴の息子は大学を卒業して結婚、都心の会社に近いマンションに居を構えた。

 今も週二回のデートを続けられるのは、誰の気兼ねも要らない愛の巣があるからだ。

 ベッドルームに入ると、由貴はエアコンのスイッチを入れた。
「先にお風呂に入って、・・・出るまでにお部屋温めておくから」
 寒いのが苦手の博史のために、由貴は部屋に入ると真っ先にエアコンのスイッチを入れる。長年続いた習慣だ。

 博史の後ろ姿を見ながら、ワードローブから二人のバスローブと取り出して、博史の後を追う。風呂は全自動で、博史と会う日には適温に沸かしてある。



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