投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

越えたい!!
【片思い 恋愛小説】

越えたい!!の最初へ 越えたい!! 1 越えたい!! 3 越えたい!!の最後へ

越えたい!!-2

「やっぱいい!みんなでいると安心する!」
私は素直な気持ちを伝えた。それにはみんな同感だったらしく二度目の乾杯。
気が付くと2時を回っていた。
4人ともかなり酔っていた。テンションに任せてカラオケに行った。
みんなで歌ったり騒いだり…酔ってはいたが正樹の番になると胸が高鳴る。
なぜなら正樹は歌がうまかった。しかも私の好きな歌ばかり歌いやがった。
「ミッキーこの歌好きだろ?」
「うん!なんで知ってんの?」
「なんとなく〜好きかなぁって」
こいつは何で私の心を離してくれないんだろう。
いっつもこうだ。さりげない言葉や、仕草で私を掻き乱す。
照れ隠しで
「さすが親友だね。」
いつもは好きな人に言われていた言葉を私は正樹に言ってしまった。
正樹は何故か目をそらしてフッと笑った。
静かさに気付いて回りを見るとななが寝ていた。智也も起きているのか寝ているのか分からないくらいに目が閉じている。
急に緊張した。
何を話そう、歌った方がいいのかなぁ、ななを起こす?頭の中でありとあらゆる提案をしたが、先に正樹が口を開いた。
「やっぱ友達なんだよな。」
私は意味が分からず聞き返した。
「どゆこと?」
正樹は覚悟を決めたように言い始めた。
「なんで光希の好きなモノ知ってるか分かる?高校の時からずっと近くにいて、笑って話して…」
その時、ちょっとだけ分かった気がしたけど突然のことに声が出なかった。
「俺の目力弱いのかなぁ。ずっと好きだって言ってたんだけど?」


え?なんて?正樹が私を好き?
理解が出来ず固まった。今まで友達からは越えられなかった壁が音を立てて崩れていく気がした。
「なんか言えよ。ダメとかイイとか。」
我に返り正樹を見た。顔が真っ赤だ。何か言いたい。言葉より先に涙が出た。
「何泣いてんの?!そんなにイヤ?」
私は急いで頭を横に振った。
「イヤじゃない?じゃあ付き合ってもらえますか?」急いで頭を縦に振った。
「フッ、ロボットかよ。」正樹が微笑んで頭を撫でてくれた。
その瞬間…ぱーん!!
その音にビックリして回りを見るとななと智也が笑っていた。手にはクラッカー…やられた。
「寝たフリも楽じゃないね〜笑」
「つーか、おめでとうございます!笑」
満面の笑みで智也とななが満足げにこっちを見ていた。
実は正樹も智也とななにチャンスをくれと頼んでいたのだ。知らなかったのは私だけ…
「勝ち戦だったけど光希言わねぇから俺行っちゃったよ。」
正樹の一言で完全に思考を取り戻した。
高校時代からはめられることはあったが、さすがにこれはビックリした。
「じゃあこれで晴れて友達からカレカノだ〜」
ななは良かったって言いながら私と正樹の写真を撮った。
現像したら焼き増しだね〜とか言ってるし。



その日を境に私は友達止まりだった片想いの壁を越えて両想いという初めての喜びを知った。
なんかあっけないなぁ。こんなんだったら早く告っちゃえばよかった〜なんて思いながら正樹と、遠距離恋愛ながらラブラブな今を過ごしてます。

越えるのは勇気がいるけど越えた瞬間っていいもんだね。まぁ越えたのは正樹の方だけど…
幸せならいっか!笑


越えたい!!の最初へ 越えたい!! 1 越えたい!! 3 越えたい!!の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前