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「運命の人」
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運命の人〜好き〜-4

「私が塔也君を好きだって言ったら、応えてくれる?」

あぁ、私は何言ってるんだろう。
不安が募って考え過ぎてしまう結果がこの言葉。
初めて、好きと言ってくれる人に振り向く時。そして今、私は勇気を振り絞りその人と向かい合おうとしている。
ちゃんと、前を向かなきゃ駄目だ。私は、合わせづらい顔を合わせようとした。
向かいにあった彼の顔は真剣そうで、そのくせドキドキさせるようなものだった。かっこ良いと思ってしまい、きっと顔は真っ赤だろうと頭のどこかで違う意味での諦めがついてしまった。

「当たり前さ。」

ハスキーで男の人を意識させるような声がやけに心に響く。大きく受け止めてくれる彼の言葉は、当初の彼とは違かった。

「じゃあ、先輩は俺の気持ちに応えてくれますか?」

答えは決まりきったようなもの。きっと、彼も未だに信じられないのだろう。

「もちろんだよ。」

照れてしまってるかもしれないが、笑みを浮かべて、多分はにかんでいた。
初めて出来た彼氏は、おばあちゃんの言う通りの人だった。なかなか見つからないけど、私にとってとても価値がある人。

「嬉しいです、俺。」

塔也君ははにかんで、頬を赤らめていた。白い歯がちらりと見えて、可愛いらしさを思わされた。
彼が治るまでここにいよう。そして、親に謝ってから彼と同じ空間で時を過ごすんだ。
ずっと、傍にいられたらいいな。

「あーっ!うどん伸びてる〜っ。」
「ははは…。」

間抜けにも、交際記念に余計な一言が入った。


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