震える-2
乳首よりも更に敏感な下腹部にこれを使えばとんでもないことになるのは容易に予想出来る。その時自分が乱れるのをコントロール出来るのかどうかが不安なのだ。
恐ろしくて手が震えた。いや、震えた理由は恐怖ばかりではない。下腹部の疼きが心臓の鼓動を高め、それが手に伝わったのだ。
由紀子はソファーに深く座ったまま、部屋着にしているシルクのワンピースの裾をゆっくりと捲り上げていった。中からレモンイエローのパンティがチラリと顔を出した。足を少しだけ開く。パンティの中央部分に小さなシミが広がっているのが見える。
そのシミに向かってローターが近づけられていった。しかし、なかなか押し付けようとはしない。怖いのだ、その威力が。怖いのだ、自分がどうなってしまうのかが。
だが、恐怖よりも下腹部の疼きの方が強かった。
ブイィイイン……。
「んあっ!」
キツく目を閉じ、思い切ったようにローターを股間に当てがった由紀子の腰が、大きく跳ねた。
スイッチが切られた。
「こんなに小さくてただ震えるだけの物なのに」
その小さな物が、由紀子の股間に強烈な快感を弾けさせた。
もう一度、ローターはパンティのシミに向かって近づけられていった。恐怖を感じつつも、一度火の着いてしまった欲情は簡単には収まらないのだ。いやそれどころか、そこにローターを使えば強い快感を得られると知ってしまった今、それを求める疼きは倍増し、抑えきれなくなっていた。
ブイィイイイ……。
スイッチが入れられた。由紀子はそれをパンティの中央の湿ってしまっている部分にそっと触れさせた。
「あっ、ああっ、ううぅ……」
眉根を寄せ、苦しそうな顔をしながらも、由紀子はパンティからローターを離そうとしない。
それはレモンイエローのパンティの布を微細かつ高速に震わせながら少しずつ由紀子の股間にめり込んでいった。
「んあぁああ……」
知らず知らず、由紀子の腰は突き出され、足は開いていった。その結果、ローターの振動はどんどん下腹部の奥の奥へと深く響くようになっていき、それが快感を強めて更に足は開かれ……。
気付けば彼女の足はそれ以上無理な程に開き切られていた。パンティの布の両サイドから黒い茂みの一部がはみ出しているのが見える。
ローターの振動によって強制的に送り込まれる快感の波動がジーンと由紀子の股間を痺れさせ、その痺れは快感の飛沫となって下腹部全体に伝播し、悦楽で彼女を縛り上げた。
「んんんんん……」
不意に、由紀子は引き剥がすようにローターをパンティから離した。息が荒く乱れている。
「なんて恐ろしいの」
由紀子は右手に持ったそれをじっと見つめている。その先端はヌラっと湿っている。
空いている左手が、彼女とは別の意志を持っているかのように下半身へと伸びていき、パンティの中央部分の淵に指を引っ掛けた。そしてその布を横に捲り始めた。
「な、何をばかな。パンティの上からでもこんなことになるのに、私、何をしようというの?」
口ではそう呟いても、左手は止まらなかった。よく茂った小高い丘が徐々に徐々にその姿をパンティの外側に晒していく。
「ダメ、ダメよ」
パンティは更に捲られていく。由紀子の意志に反し、由紀子の欲情に従って。
「ダメ……」
ついには秘肉の渓谷の全てが、捲られたパンティの下から現れた。
足が大きく開かれているために内唇の口も開いてしまっている。少し白濁した粘液でニチャーっと粘り付く桜色の谷間の壁や底、そして既に皮の衣を脱ぎかけている肉の蕾までもが、由紀子自身によって捲られたパンティから剥き出しに晒された。
スイッチが入ったまま右手に摘まれているローターの先端が、ゆっくりとそこへ近づいていく。
「ああ、私、もう……」
我慢しきれないという風に由紀子はそれを自分の肉の蕾に押し当てた。
ローターの無慈悲な振動が、柔らかい肉の蕾をブルブルと揺さぶっている。ピントを合わせるのが難しいぐらいに激しく早く。
「んあっ……あ、あ、ああ……」
由紀子は苦しそうに眉根を寄せているが、その口元は少し微笑んだようにダラリと緩み、唇の端からは涎が一筋流れている。それは、下の唇も同じだった。とめどなく溢れてくる粘液が渓谷全体をビチョビチョに濡らし、ローターにも粘り付き、由紀子の野菊の花びらへと向かって流れ落ちていく。
「イ、イク……このままではイってしまう……」
涙目になった由紀子はリモコンに視線を送った。そのスライドスイッチは1になっている。一つ下に下げればローターは停止する。 由紀子はスライドスイッチを、上に二つ上げた。
「……っ」
もはや声も出なかった。
由紀子は全身をブリッジのようにビーンと反り返らせ、目を見開いて顎ををガクガクさせながら、その身を小刻みに震え続けるに任せた。
ローターから発せられる凶悪で無機質な振動が彼女の繊細な柔肉の谷間や蕾ををブルブルと震えさせ、強制的に快感を下腹部の奥の奥深ビンビンと響かせているのだ。
やがて、ジュワーっと炭酸の様に弾ける快感の波動が下腹部全体にキューンと凝縮し始め、由紀子は息を止めて硬直した。
そして最高度に密度の高まった悦楽のマグマは、一気に由紀子の体の隅々にまで拡散し、彼女のオンナを焦がした。
しばし快楽の白い闇に漂った由紀子は、やがて糸の切れた操り人形のようにガクリと脱力し、ソファーからずり落ちた。
由紀子は、毛足の長い絨毯に落下するとともに、まだ振動しているローターのリモコンを手繰り寄せ、スイッチを切った。すると、それまで響いていた振動音が止み、耳がツーンとなる静寂が訪れた。