Requiem〜後編〜-18
─────亡きダリルとの比較に内心戸惑いつつも一抹の嬉しさも覚えながら、
セリスは背後から突かれることで高まりつつある快感に思わず目を瞑り唇を噛み締める。
───チャラ・・・チャラチャラ・・・・
セリスが身に付けている装飾品から発せられる金属音。
そんな中セリスの背中から腰そしてセッツァーと”繋がっている”臀までくっきりと輪郭が浮き上がっている。
背後に立つセッツァーとしては、見ているだけでも十分に興奮させる裸体だった。
「昼間の剣舞といい、鍛えられた無駄のない肉体といい・・・・セリスのことがもっともっと知りたくなってきた」
「ああ・・・セッツァー・・・・アアッ、あっ・・・・・」
直接目にしてはいなくても、
セリスには背後に立つセッツァーの顔色や表情が目に浮かぶようだった。
それもこれも身体を重ねた関係ゆえのことだろうか。
男性遍歴を重ねてきたセリスにとって、
これだけ長い時間2人きりの時間を持ってきたのは、育ての親シドや夫エドガーを除けば、
まさに背後に立つ“古い仲間”だけであった。
「・・・・どうだセリス。エドガーと俺、どちらがいい?」
「 !!! 」
冗談混じりのセッツァーの問いかけに、
快楽に身を委ねていたセリスも流石に意識を巡らせ、一瞬身体が強ばる。
セリスの脳裏を一瞬エドガーの顔が浮かんで消える。
だが思い出そうとした次の瞬間、
背後からのセッツァーの突きが一段と激しさを増しながら再開され、
再びセリスは快楽の淵に引き戻された。
まるでセッツァーが姿なきセリスの相手に嫉妬し、その残像をセリスの中から消し去ろうとしているかのような激しさ。