Requiem〜前編〜-21
─────ズゥッ、ズッ、ズブッ、ズッ・・・・・
(シドおじいちゃん・・・・・レオ将軍・・・・・)
いつしかセリスの左手はセッツァーの右手は重ね合わされ、互いに強く握りあっていた。
自分の中を動く熱と固さに喘ぐ自分の唇を押し開き舌を絡ませ続ける男の無精髭の感触を頬に感じ、
荒くなっていく鼻息を鼻先で感じる。
(ガストラ皇帝・・・・ケフカ・・・・)
口づけを交わし続けたせいで、
セリスの口腔内にじんわりと広がっていく苦味ある煙草の味。
普段なら不快なのだろうが、
今夜に限って言えば、
男の存在と行為を意識できる故か
寧ろ快いものだった。
「はあ・・・・あ・・・・ぁあ・・・・」
ゆっくりと唇を離しつつ腰の動きを止めないセッツァーの表情か押し寄せてくる快感を我慢するかのように時折歪み変化する。
自分の中を突かれつつ、
ぼんやりとした中で真上にある男の顔を見上げるセリス。
(・・・・ダリルさん・・・・・)
自分そしてセッツァーに縁のある人々の名を心の中で呼びながら、
セリスは自分達の交わりを通じて、
亡き人々を鎮魂している気分の中にあった。
無論セリス自身の勝手な思い込みである。
だが今は何と言われようとも、
セリスはその思いでセッツァーの愛技に悶えていた。
それが目の前の男にとっても救いになるのではと念じつつ──────