Requiem〜前編〜-19
────ザワッ
「やっぱり、恥ずかしい。駄目・・・・・」
「・・・・・」
最後の最後でよぎったセリスの羞恥もも瞬時に却下しつつ、セッツァーはセリスを横たえた傍らに立ち、カチャカチャと自らのベルトを緩め、支えを失ったズボンがそのまま足元に落ちる。とっさの羞恥心からか、思わずセリスは両手で顔を覆ってしまう。
セリスを横たえた途端、まるで堰を切ったように動き始めた彼の変貌に戸惑いながらも、
セリス自身はセッツァーを迎え入れようとしていた。
仰向けに横たわるセリスに覆い被さりながら、いつしか彼の手がセリスの顔を覆う両手首に添えられ、ゆっくりと動かしていく。
鼻先で触れあう距離にあって、星明かりの下ぼんやりと互いの表情を確認しあうセリスとセッツァー。
これから始まることへの期待と一抹の後悔に対してからか、心無しか自分の眼前にいるセッツァーの息遣いが荒くなってくるのが分かる。
何より上から見下ろす形のセッツァーの欲望を秘めた熱い眼差しが、
セリスに余計な抵抗を許さない。
やがて、彼の両手が音もなくセリスの両肩に伸び、
そのまま彼女のスリップの肩紐にかかる。
そのままスルスルと衣擦れの音を立てながら引き下ろしていく。
「ぁ・・・・・・」
逆らうことなく為すがままのセリス。
彼に“剥かれていく”中でセリスの脳裏に様々な情景が次々に浮かんでは消えていった。
それは様々な男達と、
色々な場所で身体を重ね 様々な体位を取り、
“悦びの声”を上げる情景の断片―――――
“スルリ・・・・・”
はっと気づけば白いスリップは腹付近までずらされていた。
辺りを漂う蛍の光がセリスの見事な形の乳房を彼の眼前に浮かび上がらせていた。
「綺麗だ・・・・」
「いや、そんなにまじまじ見ないで・・・・・」
「色つやに形、そして香り・・・・やはり間近でみると、その素晴らしさを実感できる・・・・」
評論家風の“言葉攻め”に思わず顔を背けてしまうセリスだったが、
構わず彼は目の前の乳房に舌を絡め口に含んだ。
―――チュウ・・・・・
「あンッ・・・・・」
たまらず声を上げ、
無意識に両腕を相手の頭の後ろに回す。指先に銀髪の感触が伝わってきた。
―――チュッ・・・チュウ・・・・チュッチュッ・・・・・
「あっ!んっ!つっ!!アウッ!!!」
一心不乱にセリスの両乳房を交互に吸い上げ、
巧みに舌を操るセッツァー。
そして身体の反応を素直に受け止め、喘ぎ声を漏らすセリス。
その舌さばきや動きの1つ1つが、成熟した大人のそれを思わせた。
肌に触れる荒い息づかいすら、
彼に全身を預けているセリスにとってはこの上なき刺激に他ならない。
既にスリップの下にあるセリスの裸体は熱を帯び、下腹部の茂みに隠れた“薔薇”は熱と蜜を滲み出し始めている。
そして、男の左手がセリスの両足を開かせ、そのまま下腹部を覆う白いショーツに触れた─────