Requiem〜前編〜-17
─────クチュ・・・クチュ・・・ピチュ・・・
「ん・・・ン・・・・」
「ンウ・・・・んっ・・・」
唇を重ねながらもセッツァーは素早く左腕をセリスの腰付近に回すと、
両腕で彼女の身体を横倒しに持ち上げた。そのまま談話室を出て廊下に出る。無論角度を微妙に変えつつ、唇は離していないが。
セリスも抗うことなく、無言で彼の首に両手を回し落ちないようにしつつ身を任せていた。
当然セッツァーの舌を求めることをやめていない。
────気づけば雷雲は遠くに過ぎ去り、窓の外で荒れ狂っていた雨音は止み、いつしか空には無数の星がまたたいていた。
もっとも今の2人にとって、屋外の状況に気を回す余裕などなかったのだが。
―――ヒタ、ヒタ、ヒタ・・・・・
―――ギィィィ・・・・
―――バタンッ・・・
闇が支配する廊下に、
デッキに上がる為のドアが閉まる音が響き渡り、
微かな余韻を残しつつも 再び静寂が訪れた────────