7-1
7.
翔との情事の翌日、ねねは義男の部屋にいた。
(何かが違う……)
義男はずっとねねの微妙な変化を感じていたが、アナルほぐしに至って、はっきり異変を感じ取った、昨日はこの部屋に来ていないのに明らかに柔らかい。
「ねねちゃん、もしかして他の男に抱かれた?」
「うん」
あっけない、無邪気な返答。
少し拍子抜けするものの、やはり嫉妬心は沸きあがってくる。
「相手は誰なんだ?」
「よっちゃんの知らない人、どうして?」
「だって、俺がいるじゃないか」
「ええ? だってあたしたちってSFじゃなかったの?」
「え?……そりゃまあ……そうだけどさ……」
ねねを仕込んだのは自分だという自負はある……しかし、考えてみればねねの言うとおりだ、ハーフミラー越しに観察し、盗撮した写真をネタに関係を迫ったのは自分、ねねはそんな自分に付き合ってくれているようなもの……ねね自身も楽しんでいるのは間違いないが……他の男と寝るな、などと言えた義理は無い、そもそもここまでセックス好きにしてしまったのも自分……そこに気がつくと嫉妬心は水に放ったドライアイスのように霧散して行く。
「そいつ、どうだった?」
「良かったよ、よっちゃんよりちょっと小さかったけど、若いから何回でもできちゃうし固かった……かっこいいし」
「そうか……俺なんか目じゃないか……」
「そんなこと無いよ、よっちゃんはいろんなこと知ってるし、どうやったらあたしが感じるか考えてくれるし、今日は何されるか考えるといつもどきどきしちゃう」
「俺ともずっと?……」
「一生ってわけには行かないけどね」
それはそうだ、今はねねを手放すことなど考えられないが、ねねが自分に愛情を抱いているとは思えない、義男から見てもねねは愛おしい存在ではあるにせよ恋人とは呼べず、お互いに性の悦びを求め合うパートナー、そういう関係でしかない。
ねねの言うとおり、この関係はいずれ解消しなければならないものであることは確かなことだ。
「ねね、そいつのこと、好きか?」
「う〜ん、よくわかんない、かっこいいしエッチも良かったけど……あのね、お姉ちゃんのBFなの……でもあたしのほうが好きだって言ってくれた」
「凄いな、十歳にして姉さんの恋人を寝取ったんだ」
「寝取るって?」
「自分とのエッチの虜にして奪っちゃうことさ」
「奪っちゃうって……そんなつもりじゃなかったけど……」
「本当にそうか?」
「う〜ん……お姉ちゃんのBFだと知っててもかっこいいと思ってたし、お姉ちゃんに負けたくないって気持ちは……あったかも……」
「あのさ……ねね」
「なぁに?」
「ねねが言うとおり、俺たちがすっとこういう関係でいられないことは確かだよな、ねねはいつか恋をして俺から離れて行くんだ……」
「よっちゃん、どうしたの? 急にそんなこと言い出して」
「でも確かだろ?」
「う〜ん……多分ね……」
「俺さ、ねねをこんなにエッチにしちゃったことに責任を感じてるんだ」
「別によっちゃんのせいじゃないと思うけど」
「いや……だって十歳の娘がアナルもイラマもOKなんて普通じゃないだろ? それに俺が鉄棒から落ちたねねにエッチを迫ったからこうなったのは確かだし」
「あたしは色々教えてもらって嬉しいけど?」
「そう思ってくれてるうちに関係を解消した方がいいかもな……そいつ、ねねにSFがいる事を知っててねねを抱いたの?」
「うん、最初は小さすぎるって言ってたし、SFがいるから大丈夫って言ってもすぐには信じてくれなかった……フェラで納得したけど」
「そいつ、いいヤツだと思うよ、ねねがもしそいつのことが好きになったら言ってくれよな、俺、何時でも身を引くから」
「そんなこと言わないでよ」
「でもさ、俺とねねは二十歳の差だぜ、ねねが二十歳になった時俺はもう四十だよ、どう考えたって不自然だろ?」
「……わかった……でもさ、その人、来年大学受験だからあんまり時間ないんだよね」
「そうか……じゃそれまでは……」
「うん、よっちゃんと今までどおりにしてたい」
「ああ、それは俺も同じだよ」
「じゃ……続き」
「ああ、せっかくほぐしたけど時間経っちゃったな」
「うん……そうだね……」
「じゃ、パールからやり直すか」
「うん、パールって好きなの、ぞくぞくしちゃうから……でもさ」
「何?」
「前はまだ充分濡れてるよ」
「あはは、それ以上言うな、どんな体位がいい?」
「よっちゃんとぴったりくっついてたい」
「OK」