投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

メリッサ
【その他 官能小説】

メリッサの最初へ メリッサ 4 メリッサ 6 メリッサの最後へ

メリッサ-5

 次の日カーテンと針金を買い、どうやら考えたとおりに仕切ることが出来た。しかしお陰でメリッサから貰った1万円はあらかた消えてしまった。トイレット・ペーパーを買いながら、そう言えばトイレット・ペーパーだって厳密に言えば半分出して貰わなければいけないが、まあ10日間のことだからいいか、などと思った。それにしても男と女では女の方が余計に紙を使うことは明らかだと思う。何故なら男は小用の時は紙を使わないが女は使うからである。しかし、その差を厳密に計算するとなると一体いくらの差になるのだろうか。

 昼間は互いに大学に行くし、夜はそれぞれ自分の部屋に閉じこもってしまうから一緒に住んでいても意外に接触は少ない。しかし家の中で自由に裸になれないなど何かと不便なことが多いので「あと8日」「あと7日」と数えながら暮らしていた。6日目が日曜で2人とも大学は休みである。
 「カズ。暇だったらちょっと教えて欲しいことがあります」
 「何?」
 「日本の伝統文化って何がありますか?」
 「日本の伝統文化?」
 「昔から伝えられている文化のことです」
 「ああ、それは分かるけど沢山あってそれを語っていたら一生かかっても足りない」
 「良かった。そんなに詳しいのですか」
 「全然詳しく無い」
 「例えば私の部屋にある畳ですけど、あれも日本の伝統文化でしょう?」
 「ああ、そうだね」
 「どうして畳が日本では今でも使われているのですか? 安いからですか?」
 「さあ、良く知らないけどきっと安いカーペットより余程高いと思うよ」
 「それじゃカーペットより何か良い所があるのですか?」
 「うーん。今の畳は見かけだけで中身は発泡スチロールだから昔の畳とは違うんだ。昔の畳は中身が藁で出来ていて部屋の中の湿気を吸ったんだよ。それで乾燥した日には逆に吸った湿気を発散するから室内の湿度の調整を自然にしていたんだね」
 「そんな凄いことをしていたんですか?」
 「そう。日本は湿気が多いからね。例えばメリッサの肌はカサカサに乾いているだろう。だけど僕の肌はしっとりしている。それが湿気の多い国に生まれたということの結果なんだ」
 「ああ、本当にしっとりしてますね」
 「うん。こういう話がある。日本人が高価な皮のバッグを持って外国旅行に行ったら、その高価な皮のバッグがしわくちゃになっちゃって泣きたくなったそうだ。ところが日本に帰ってきたらまた元に戻ったというんだね。皮っていうのは濡れると縮むんだよ」
 「でも私はもう1年間日本にいますけど肌がカサカサなのはどうしてでしょう」
 「いや、生まれて20年も湿気の無い国で生きてきたんだから1年くらい日本に居たってすぐには変わらないさ」
 「私が裸になりたいと思うのも湿気と関係があるように思います」
 「はあ?」
 「アメリカにいる時も部屋の中では余り服を着ませんでしたが、日本では部屋の中で服を着ていると気が狂いそうになるのです」
 「それでいつもそんな格好をしているのか」
 「これでもカズに遠慮しているのです」
 「でもそれは殆ど裸と変わりないじゃないか」
 「それならこれを脱いでもいいですか」
 「良くない。逆にもっと何か着ろと言ってるんだ」
 「貴方はホモですか?」
 「ホモじゃない」
 「それじゃどうしてですか? 女の裸が嫌いなのですか?」
 「3度の飯より好きだ」
 「それでは私の裸だけが嫌いなのですか?」
 「4度の飯より好きだ」
 「4度の飯より好きだというのはどういう意味ですか?」
 「大好きだという意味だ」
 「それじゃ私が裸になっても何も問題は無いということですね」
 「おおありだ。やらせるつもりなら裸になればいい。やらせるつもりが無いならやめてくれ」


メリッサの最初へ メリッサ 4 メリッサ 6 メリッサの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前