メリッサ-26
「他の男に私の体を見られても平気ですか?」
「別にそれはいいけど、ちょっと着てみな。どんなか見てやるから」
「うーん。ちょっと透けますでは無いな。モロに透けますだな」
「此処は明るいですから。でも、どうしてもこれがいいなら、方法があります」
「どんな?」
「パンティ・ホースを2枚重ねて穿けば大丈夫です」
「なるほどお。じゃあ、それで行こう」
「本当に貴方は変わった人ですねえ。普通はこういう服を厭がると思いますけど」
「普通はそういう服を好むからそんな服で働いていたんだろう?」
「自分の女になると厭がるのではありませんか?」
「ああ、そういう男もいるな。だけど僕は心が広いからな」
「それじゃ途中でパンティ・ホースを買って、ホテルに行ってから着替えますね」
「うん。それで僕は何を着たらいいかな」
「私のTシャツでどうですか?」
「厭だよ」
「貴方の服は途中で買って上げます」
「え? そんな金持ってるの?」
「はい、持っています」
「金が無いからルームメイトになったのかと思ってたよ」
「それは合理的にお金を使おうと思ったからです」
「僕に服を買ってくれるというのは、後で返すの?」
「貴方の服を返して貰っても私は着られません」
「いや、だから金を返すのか?」
「私と貴方の財布はもう1つと同じです」
「そうかあ。でも僕だって30万円近く持ってるんだぞ。僕の方が損しちゃうじゃないか」
「私は300万円以上持ってます」
「何? 何処から持ってきたんだ」
「六本木で働いている時に貯めました」
「女はいいなあ」
「だから貴方の将来は私に任せなさい」
「そんなこと言ったって、このウタマロが立たなくなったら『はいさよなら』だろ」
「どうして貴方はセックスのことしか考えられないのですか?」
「そうは言ってもメリッサだってセックスは好きだろう?」
「大好きです」
「ほらみろ」
「でもそれは、セックスしている時の貴方がとても可愛いからです」
「ふん。だから立たなくなったら僕の可愛い顔も見れなくなるじゃないか」
「間違えました。おっぱいを吸っている貴方の顔が可愛いのです」
「なるべく安い奴でいいぞ」
「どうしてですか? お金なら私が出して上げると言ったでしょう」
「後で気が変わって返せと言われた時の為に」
「そんなことは言いません」
「冗談だよ。僕は贅沢は嫌いなんだ」
「それは貴方のいい所ですね。でも今日は特別の日だから少しお洒落して下さい」
「それはちょっと派手なんじゃないの」
「私のドレスと合うように少し派手な物にしないといけません」
「それじゃ透けたジャケットにするか」
「これをちょっと着てみて下さい」
「うーん」
「いいから」
「笑うなよ」
「ああ、とてもいいです」
「なんかジゴロみたいに見えない?」
「貴方はジゴロだから丁度いいです」
「何だよ、それは」
「ジャスト・ジョークです」
「ぴったりした冗談だって言うのか?」
「ジャスト・ジョークはそうではありません。ほんの冗談という意味です」
「ああ、そうか」