メリッサ-13
ダンスパーティは案の定外人ばかりで、和彦は英語が出来ないから、隅にじっとしているしか無かった。それにしても誰の家なのか大きな家である。ダンスパーティと言ってもロック音楽がかかっていて勝手に踊りたい者は踊るというくだけたものだった。半数以上は立ったり座ったり思い思いの格好で話しており、5〜6人が熱心に踊り続けている他は入れ替わり立ち替わり踊っては又談笑に移るという具合であった。アジア人も多く見られたが皆達者な英語を喋っており、その中に混ざろうとは思わなかった。思っても英語なんか喋れない。少し雰囲気に慣れたところで飲み物を取りに行き、又壁際に戻って独りで飲み始めたら大柄なメリッサが、メリッサより更に大柄な女性と連れだってこちらにやって来る。体が大きいだけでなく、大砲のように大きな胸をしている。外人というのは凄いものだなと思いながら見ていたら、その大砲が和彦の所まで来て話しかけた。
「貴方がカズですか?」
「はい」
「私はメリッサのベストフレンドのキャサリンです。キャシーと呼んで下さい」
メリッサはキャシーの少し後ろでニヤニヤ笑っている。ドデカイ女が二人並んで立っているのはそれだけで何か迫力があった。二人とも胸が大きいから和彦は我知らずにやけてキョロキョロ二人の胸を交互に忙しく眺めていた。
「パーティを楽しんでいますか?」
「はい。有り難う。あちこち見て楽しんでいます」
「ちょっと、こちらの部屋に来て下さい」
「は?」
和彦はメリッサとキャシーに両腕を取られてまるで連行されるような格好で別室に連れて行かれた。
「えーと、何でしょう?」
「ブラの嫌いな筈のメリッサが私のブラを貸して欲しいと言うので、私は理由を聞きました。すると貴方にブリーフの代わりにブラを穿かせるというので、素晴らしい考えだと思いました。それで私も是非協力しなければいけないと思いましたです」
「え? いやそれは勿論冗談なんですよ。分かっているでしょうけど」
「はい。でもメリッサが絶対本当にやらせると言っています」
「あのね。メリッサ。今日は楽しいパーティに連れてきてくれて有り難う」
「・・・」
「うちの大学にはこんなに外人がいたんだね。知らなかったなあ」
「・・・」
「みんなとても魅力的な人達みたいだけど、メリッサは中でも抜群に魅力的で目立っているね」
「・・・」
「もう少し飲んだら帰ろうか?」
「カズヒコ」
「はい?」
「ズボンを脱ぎなさい」
「へ?」
「聞こえたでしょう?」
「このTシャツ素敵だねって、誰かに褒められちゃったよ。ハハ」
「もっと素敵なブリーフを貸して上げるからズボンを脱ぎなさい」
「メリッサより私の胸の方が大きいからきっとこれは貴方のお尻にピッタリ合うと思います」
「いや、あのー。そうだね、キャシーの胸は大きいね」
「はい大きいです。貴方のお尻くらいありますよ」
「いや、その、そうだね、全く」
「それじゃ、はい」
「はい、って?」
「穿いていいですよ。カズがそれを穿くところを見たくて私は貸して上げるのです」
「いや、あの、僕のお尻には乳首が無いから」
「乳首が無くても大丈夫です」
「でもこれだとおちんちんが隠れないからブリーフの代わりにはならないと思いますよ」
「恥ずかしがる必要はありません」
「あっ、ちょっと。乱暴はいけない」
「・・・」
「待って、待って。冷静に話し合おう」
「・・・」
「あああ、何するんだ」
「ほら、これが貴方のパンツです。今日はこれを穿いて帰りなさい」
「僕のオチンチンはどうするんだよ、これじゃぶらぶらしちゃうじゃないか」
「あ、そうでした。肩紐で縛らないと」
「冗談じゃない」