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メリッサ
【その他 官能小説】

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メリッサ-11

 「初めからそれだけですよ」
 「ああ痛い。もう死ぬまでセックスしたくない」
 「まだたったの2時間しかしていないのですよ」
 「日本人は2分以上はセックスをしない民族なんだ」
 「それは嘘でしょう?」
 「いや、本当だ。2時間というと60回分もセックスしてしまった勘定になる」
 「この調子でやれば貴方はセックスが上手になります」
 「いいえ、この調子でやれば私はセックスが嫌いになります」
 「その話し方やめなさい」
 「やめたくても移ってしまったのです」
 「まだセックスしたいのですか」
 「いやいや、もうしたくない。もう勘弁して」
 「そうです。そういう風に普通に話しなさい」

 いよいよダンスパーティの日が来ると和彦はどうやって逃げようかとそればかり考えていた。
 「軽く何か食べてから行きましょう」
 「着ていく物がない」
 「それでいいですよ」
 「これじゃ余りにもみすぼらしい」
 「それじゃ私のTシャツを貸して上げましょう」
 「Tシャツならこれと大して変わらない」
 「ブランド物のTシャツですよ」
 「ふん。じゃまあそれを借りようか」
 「高い物ですから汚さないようにして下さい」
 「汚したってたかがTシャツだろう。洗えばいいじゃないか」
 「だからケチャップとか口紅とか落ちない汚れを付けないようにして下さい」
 「はいはい。ケチャップと口紅ね。ありゃ、これは駄目だ」
 「どうしてです?」
 「胸が膨らんでいて格好悪い」
 「そんなことありません。別に格好悪くありません」
 「格好悪いよ。メリッサのデカイおっぱいの癖が付いて此処が膨らんでいるんだ」
 「それは気のせいです」
 「気のせいじゃ無いだろ」
 「何でも私の言うとおりにすると言ったではありませんか」
 「そんなこと言ったって僕に恥をかかせたくは無いだろう?」
 「別にそれでおかしいことありません」
 「それに模様がおかしい」
 「何がおかしいのですか?」
 「ハートのマークなんて女の模様だ」
 「何を言っているのですか。Tシャツに女も男もありません」
 「ありませんったって可笑しい物はおかしいよ」
 「さあファミレスに行きましょう」
 「ちょっと待って、着る物がまだ決まらない」
 「それでいいです」
 「ちょっと引っ張るなって」
 「行きますよ」
 「クソー。アメリカ女の馬鹿力め」
 「何か言いましたか?」
 「別に。独り言だよ」
 「随分大きな声の独り言ですね」
 「恥ずかしくて顔を上げられない」
 「そうやって歩くから余計胸がたるんでしまうのです」
 「こうやって歩いたって胸の出っ張りは直らないだろう、ほら」
 「そんなに仰け反ると倒れますよ」
 「そのデカイおっぱいを考えればTシャツを借りるなんて無理だったんだ。馬鹿だった」
 「Tシャツというのは男女共用なのです。貴方のTシャツは私が着てもいいし、私のTシャツは貴方が着てもいいのです」
 「良くない」
 「なるべく服は2人で共用にしましょう。そうすれば合理的です」
 「合理的じゃない。体を比較してみろよ。同じ服を着るのは無理だろう」
 「大丈夫ですよ。伸び縮みしますから」
 「何処が」
 「服がです」
 「伸びはするけど縮まないからこうなってるんだろ」
 「それは別におかしくありません」
 「おかしいに決まってる。これじゃメリッサのTシャツを借りて着てるのが一目瞭然だ」
 「お互いに服を貸し借りするなんて素敵なことじゃないですか」
 「それじゃメリッサのブラジャーを貸して貰おうかな」
 「私はブラジャーは持っていません」
 「それは残念だったな」


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