私の一言が変えてしまった-4
ママはちょっと抱く力をゆるめた。
私はようやくスキマからママのナマ笑顔を見る事ができた。
「これから、いろいろドタバタすると思うけど、私をサポートしてよね。お・ね・え・ちゃん!」
ママがそう言ってまた私を抱きしめると、私は背中が温かくなった。
(パパだ…… パパが私を後ろから抱いてる……)
もちろんそれは、日ごろパパとハダカで抱き合ってる私の記憶に蓄積された、パパのデータが作りあげた「仮想のパパ」の温もりだった。
……ちがう、その後ろから抱きしめてるパパの温もりは、私の資料では思いつかないパパの声を伝えてきたんだ。
(オレの女だもんな、孕ませてあたりまえだろ。)