彩花のお色気大作戦-3
「ただいま」
玄関の扉を開けた潤が声をかけたが、いつものように彩花の出迎えはなかった。
「母さん?」
リビングの扉を開けて中を覗くと、対面式キッチンの向こうに、顔の上半分だけ出している彩花がいた。
「お、お帰りなさい。お、遅かったのね」
真奈美との行為の最中に【息子に対して色気を出す方法を学ぶ】と称して、真奈美に観せられた動画があった。その動画は、矢野のところに来た母子の痴態が繰り広げられていた。
『この2人、本当の母親と息子なんですって』
『見て見て、息子におまんこ見せてオナニーしてるよ』
『きゃあ、息子のオチンチン咥えたぁ』
『おまんこキター!見て見て、入れてるよ。この親子、マジでおまんこしてるぅ』
驚きで目が開きっぱなしの彩花だったが、この時点が限界だった。
『エッチな格好するだけでしょ!こ、こんなこと、絶対にしないからね!』
彩花は慌ててその動画を消したのだ。
潤の帰宅の声を聞いた瞬間、その動画が脳裏を過った彩花は、過剰に潤を意識してしまい、慌てて対面キッチンに隠れたのだ。
「どうしたの?そんなとこから顔だけ出して」
彩花が小柄といっても、普通に立てば胸の位置までは見えるはずだ。対面キッチンに身体を隠すような不自然さを、潤は指摘しながら近づこうとした。
「な、なんでもないよ。ご飯の支度してるだけ。そ、そうだ、まだ時間かかるから、先にシャワー浴びてきなさいよ」
彩花は潤を近づけないように言ったが、これは潤に取っては渡りに船だった。なにせ、この後の展開次第では、服を脱ぐ手間が省けるのだから。
「わかった。浴びてくるよ。母さんの料理、楽しみだなあ。メインディッシュはなにかなあ」
楽しげな潤が浴室に向かい、その姿が見えなくなると、彩花はホッと息をついた。しかし、息をついている場合じゃなかった。
自分で口にするまで気づきもしなかったが、夕食の準備を全くしてなかったのだ。彩花は慌てて冷蔵庫の扉を開けて、夕食の準備に取りかかった。
彩花は一つのことに集中すると、他が疎かになる傾向にある。それを承知する潤は、シャワーを手早く浴びると、脱衣場に用意されている下着を穿かずに、バスタオルを巻いた状態でこっそりリビングに戻っていった。
キッチン側、彩花の位置から後ろの扉をそうっと開けて中に入ると、案の定、料理に集中している彩花は気づかなかった。
まな板を叩く包丁の小刻みなリズムに合わせて、彩花のノーブラの胸も揺れていた。
(包丁持ってるし、慌て者の母さんに今は声をかけたら危ないかな)
潤は待つ間、揺れる胸と生足を鑑賞しながら、勃起した肉棒を目立たないように、バスタオルを巻き直した。
「急がなきゃ」
包丁を置いた彩花がコンロの湯加減を見るため、潤に背中を向けた。
(チャンス!)
潤は下着丸見えの尻に向かって声をかけた。
「母さん、凄い格好だね」
「ヒッ!」
驚いた彩花は、咄嗟に手で尻を隠した。その彩花の手はスカートの布地ではなく、直接下着に触れていた。スカートの前裾を下に下げていた反動で、尻の方は全く隠されてなかったのだ。
慌てた彩花はクルリと前を向いたが、それがさらに彩花を窮地に落とし入れた。反動で揺れる胸が、ことさらノーブラを強調してしまったのだ。
「は、早かったのね、シャ、シャワー」
慌てて胸と股間を手で隠した。