彩花のお色気大作戦-10
どきどきと早まる動悸、早く終わらせたい焦りもあるが、彩花は今更ながらに躊躇してしまった。
催促するように、ちらりと見上げる潤と視線が合った。
「今脱ぐから」
覚悟を決めるために宣言したが、それが却って極度の緊張を招いてしまった。
「あれ?」
彩花は自身の異変に戸惑った。
「うっ、ううっ…」
いくら力を込めても、金縛りにあったように彩花の手は動かなくなっていたのだ。
「どうしたの?」
彩花の苦悶の表情に潤も彩花の異変を感じた。
「う、動かないの…」
泣きそうな表情の彩花とは対照的に潤は落ち着いていた。思い込みが激しく、単純で子供のような彩花の性格は十分把握している。
「大丈夫だよ。母さんはできる子だから」
彩花の頭をそっと撫でながら、昔から彩花に言われ続けていた言葉を潤は優しく返した。
(生意気なんだから)
息子に子供扱いされてムッとしたが、単純な彩花の緊張はそれで溶けた。肩の力が抜けたことを自覚した彩花は、その行為を再開した。
ゆっくりと現れたデルタ部分、布地1枚で隠されていた生の縦スジが、薄い陰毛越しにはっきりと見えてきた。
「ゴクッ…」
潤は生唾を飲んだ。
女の秘めたる部分。そこを経て生を受けた息子が、今、そこを性の対象として僅か10pの距離で凝視している。
(あぁ…そんなに見ないで…)
緊張が溶けたばかりの彩花だったが、今度は女としての恥ずかしさと、母親として淫らな姿を息子に認識される恥ずかしさでクラクラしてきた。
それでもやらなくてはならない。このまま射精もさせないまま中途半端な状態で中断すれば、暴走した潤に犯されるかもしれない。愛する息子にそんな罪深い真似はさせたくはなかった。彩花は更なる秘めたる部分を見せるため、さらに下着を下ろしていった。
布地が吸収していた愛液が、その布地に引かれるように、彩花の内ももを濡らしていった。
興奮した潤の鼻息が荒くなった。
「あ…」
その鼻息を内ももに涼しく感じた彩花はピクリと反応し、下着を下げる動きがピタリと止まった。
(やだ…)
彩花は自分で触っていた以上に濡れていることを自覚した。息子に見られて女体が反応していたのだ。これまで以上の激しい羞恥が襲った彩花は、直ぐにでも下着を引き上げて胸を隠したくなった。
(このまま寝室に駆け込んで、鍵をかければ逃れられるはず)
夫婦の寝室には新築当時から鍵が付いていた。部屋に逃げ込めば、潤に背徳の罪を負わせることもなく、また、今から真希と会わすことは真奈美が許さないはずだ。明日以降は真奈美から借りた動画で発散させればいい。母親の淫部を見ながら自慰するよりも健康的だ。
(それがいいわ)
しかし、彩花の女体はその意思とは逆の動きを始めた。下着を膝まで下げた彩花は、潤の熱い視線を遮らないように、ゆっくりと片足ずつ下着を抜くと、用済みのその下着を床に落とした。もう遮るものはない。例え薄い布地でもあるのと無いのとでは大違いだった。唯一女体に残るスカートは潤の欲情を駆り立てるしか機能しなかった。
無防備になった彩花の手は、彩花の意思を無視して次の動作を始めた。自身のその手を見ながら彩花の目は見開かれた。
(ダ、ダメ…これ以上は…)
彩花の両手が割れ目の左右に添えられた。それに合わせて揃えていた足が肩幅に開き、腰が前に突き出された。真奈美の動画に有った【立ち小便をする女】のポーズだった。
(やめて…)
準備を終えた彩花の女体は、両手に力を込めた。
14年前、【聖なる誕生】のために開かれたその部分が、今、成長した息子を前にして淫らな【性なる対象】として開かれた。
彩花の女の匂いが潤の鼻孔を刺激した。潤は上体を低くして、下から煽るように割れ目の中身を仰ぎ見た。
童顔に似合わない胸と同様に、大きめなクリトリスがこのポーズにより突き出されていた。
「か、母さんのクリ、エロ過ぎるよ…」
今まで見た中でもかなり卑猥なクリトリスだった。衝撃を受けつつも潤は心の中で、彩花の女体の卑猥さを歓迎していた。このクリトリスを前に潤は見ているだけで我慢できなかった。
「美味しそうなクリ、触るよ」
潤が股間に手を伸ばそうとしたとき、彩花は腰を引いて潤の手を素早く掴んだ。
「ダメ!」
今更だった。
「どうして、触ったらもっと興奮するのに」
彩花はその抗議を包み込むように、潤の両頬に手を添えると、潤の目に自分の視線を重ねた。
「潤からはダメ…」
熱い視線で言った。