順番だから-1
早霧の手は凜花のスカートの中で蠢いている。
「辛かったわね、凜花。」
パンティの中央の溝を、早霧の指先がなぞっていく。
「はい。でも、順番ですから。」
「まあそうだけど。好きでもない子にこんなことをされたんでしょ?」
指先が凜花の最も感じやすい入り口を捉え、ズブズブと侵入していく。
「うっ…うう…」
凜花は返事ができない。それほどまでに早霧の指使いは巧みで、容赦がない。
「答えなさいってば。」
凜花が早霧の腕を掴んで動きを止めた。
「はあ…、はあ…、無理言わないで下さいよ。」
「あなたってば相変わらず敏感ね。ちょっと弄っただけでヨがっちゃうんだから。」
「やめてくださいよ、先輩。いえ、やめないで下さい…」
「正直でよろしい。」
早霧の指が凜花の中で直角に曲げられ、凜花の敏感なスポットを直撃した。
「ぅあぁああっ!くぅ…」
眉根をキツく寄せ半開きの口から涎を垂らし始めた凜花の様子を見て、早霧の指は彼女から出ていった。凜花が切れ長の目をわずかに開き、恨めしそうに早霧を見た。
「とりあえず話を聞かせてもらおうかしら。冷静な状態で。」
「はい。すみません…」
いくつかある吹奏楽部の部室のうち、この役員室は少々特殊だ。
一般の部員に聞かれたくない話、例えばコンクールやコンサートのメンバー選定会議などが行われるため、それ用の大きなテーブルと椅子、プロジェクターなどの設備がある。
しかし、この部屋を最も特殊に見せているのは、窓際に置かれた簡易ベッドだろう。
一応の理由として、会議が長引いたり資料作成で疲れた時の休憩用、となっているが、使うのは歴代部長に限る、という暗黙のルールがある。
今、そのベッドに並んで腰かけているのも、前部長の柏崎早霧と現部長の東城凜花の二人だ。
「いっそ嫌いな子だったら、もっと割り切って相手を出来たからラクだったのかもしれませんけど…」
ようやく落ち着きを取り戻した凜花が話し始めた。
「秋本由衣、か。ずっと一緒に頑張ってきた仲だもんね。演奏も、部の運営も。」
「ええ。」
「辛かったね。」
早霧は凜花の髪を撫で、頭を引き寄せて口付けた。
「先輩にもイヤな思いをさせたんじゃないですか?」
「まあ、ね。だって、大切なあなたに他の子が好き放題するのを黙って見てることしか出来なかったんだから。目的がはっきりしていなかったら、気が狂っていたかもしれないわ。」
「先輩…。いまひとつ自信が持てなかったんです。果たして彩音は運命を受け入れてくれるのだろうかと。だから、だから…」
凜花は目に涙を滲ませている。
「敢えて見せたのよね、あなたが望まずに非道いことをされている所を。」
「はい。早霧先輩にもご協力いただいて。」
「お易い御用よ。由衣ちゃんの性格も行動も読めるから、わざとこのネックレスを盗りやすいように置いておいただけだから。それに…」
「?」
「あの子、気付いてたと思う。自分の役割に。」
「由衣…」
凜花は会議椅子の一つを見つめた。由衣がよく座っている席だ。
「で、どうだったの?」
真剣な表情で凜花の顔を覗き込む早霧。
「あ、はい。丘の上の柵は越えました。」
大きく息を吸い込んだ早霧の顔に、花のような笑顔が広がっていった。
「よく頑張ったわね、凜花。壁は性欲で壊すことが出来る。でも、柵を越えるためには絶対的な信頼と覚悟が必要。それを成し遂げたのね、あなたは。」
凜花の顔にも、花開くような笑顔が広がった。
「それはそれとして。結構たいへんだったのよ?あなたたちが突然いなくなった理由を説明するの。」
「だ、だからって、あれはないですよ…」
「あはは。しょうがないじゃない。急に凜花がお腹壊したから、処理できる場所を彩音ちゃんが一緒に探しに行った、とでも言っておかないと、みんなには意味不明すぎるでしょ?」
「処理…」
「危険物処理、なんてね。」
「笑えません、それ。」
「お?笑わない気?だったらこんなことしちゃおうかなー」
早霧の手が凜花の太腿の上を滑り、制服のスカートの中に消えた。凜花は抵抗しない。
「あううっ…」
一気に息を荒く乱し、艶っぽい目になる凜花。そんな彼女を、早霧は簡易ベッドに押し倒した。
「早霧先輩…」
唇を求める凜花。それに応える早霧。部屋の空気が、しばし止まった。
凜花の制服ブラウスのボタンが、ひとつ、またひとつと外されていく。その度に、熱い吐息を漏らす凜花。待ちきれないのだ。しかし早霧の方はそれを知ってか知らずか、ゆったりとしたペースでボタンを外していく。
やがて全てのボタンが外され、濃いブルーのブラが現れた。その下の隙間から、早霧が指を差し入れた。
「うっ…」
凜花の反応から、早霧の指先が凜花の右乳首を捉えたことが分かる。人差し指と中指の二本で挟んだのだ。
「う、ううっ、ああっ!」
早霧の手がブラの中で蠢く度、凜花は悦びの声をあげた。 「あなたってほんとに感じやすいわよね。」
「やめてくださいよ、先輩。いえ、やめないで下さい…」
早霧は、ふ、と笑った。
「凜花ってさ、同じ言い回しを定型文みたいに使うの好きだよね。」
「こ、こんな時に何を…そんなことより…」
凜花は背中に手を回し、自分でホックを外した。それを早霧がペロンと捲り取り、肩から抜いて部屋の隅に投げた。 「早霧先輩は、下着を投げるのが好きですよね。」
「あなたはやらないの?」
「…します。先輩の真似をして。」
「遠くに投げとけば、簡単には身に着けられないからあきらめさせ易いのよね。まあ、凜花にそんなことは必要ないけどね。脱ぎはしても着ようとはしない。」