まずは母親同士のおしゃべりから-4
「ヒッ…」
真剣な目をした真奈美の顔が迫ってきた。彩花はその迫力に堪えきれずに、思わず首を横に振っていた。
(いいぞぉ)
彩花の反応に気をよくした真奈美は、すかさず次の質問を繰り出した。
「じゃあ、次ね。彩花ちゃん、あなたはエッチな小説を読んでオナニーしてますか?」
またもや迫る真奈美の顔。彩花は震えながらコクコクと頷いていた。
(よーし、第2ステージクリアー♪)
真奈美は満面の笑みを浮かべた。
「そうなの。エッチな小説でしてるのね。あたしもよくそれでしてるよ。文字で想像しながらだと興奮するもんね。で、他はどんなのでしてるの?」
自分も同じだとさりげなく伝えながら、言葉でも引き出そうとした。
「ほ、他はないよ…」
知られたからには仕方がない。彩花は正直に話した。
「そうなの。エッチな動画とか見ないの?ほら、ネットとかの」
「ネットって怖いでしょ。ウイルスとか…」
「と言うことは、ウイルスが怖くなかったらエッチな動画も観たいってことね」
ここぞとばかり、真奈美はぐいぐいと迫った。
「真奈美ちゃん、ストレート過ぎるよ」
彩花はなんとか誤魔化そうとした。
「あら、興味あるんでしょ。ここまできたら、正直に言いなさいよ」
「興味はあるけど…」
「ほら興味あるんじゃないの。だったら、あたしの動画貸そうか。DVDで焼いてるからいつでも貸せるよ」
「いいよいいよ」
さすがにそんなモノは借りれるはずはない。彩花は手を振って断った。
「いいっていいって。そうだ、昨日観てたヤツ、デッキに入ったままだった。どんなのか観てみない。それを観てから決めればいいじゃない」
嬉々とした真奈美は、ソファーテーブルの上のリモコンに手を伸ばした。
「いいってば!やめて」
慌てた彩花も真奈美のリモコンを操作を止めようとして手を伸ばした。
(今だ!)
そのタイミングで、真奈美はリモコンを掴む手の腕の角度を少し変えた。
むにゅっ…
真奈美の狙いどおり、真奈美の肘が彩花の胸を押したのだ。
「あっ…」
「やあん、彩花ちゃんて、胸が大きいんだね」
「えっ、ご、ごめんなさい…」
慌てた彩花が自分の胸を手で被った。
「隙あり」
彩花が身体を離した隙に、真奈美はリモコンのスイッチを押した。
その途端、モニターに裸の男女の姿が映り、淫らな喘ぎ声が居間に響いた。
―――ああん、ああん、ああん―――
実はモニターのテレビのスイッチを入れると、直ぐに動画が見れるように、動画は予め再生状態にしていたのだ。
喘ぎ声に釣られて彩花がテレビモニターに視線を向けた。その瞬間、彩花の目が大きく見開いた。
動画の中で後背位で喘ぐ女が手をついているのは、今、彩花が座っているソファーだった。