まずは母親同士のおしゃべりから-3
「ほら、潤くんじゃないなら、他に誰か居るとか」
例えそんな男が居るにしても、答えるはずはない。そんなハードルの高い質問から攻めて、少しづつ下げるのが常套手段だ。
「居ない居ない!バカなこと言わないで」
彩花は手を激しく振って否定した。
「じゃあ、どうして処理してるの?オナニーとか?」
「えっ…」
真奈美の決めつけの言葉で、彩花の顔が瞬時に赤く染まった。
「赤くなってる。彩花ちゃん、オナニーしてるんだあ」
「そ、そんなこと…」
「恥ずかしがらなくていいじゃない。旦那さんが相手できないんなら、1人でするしかないでしょ。あたしなんか、旦那が居るけど、オナニーしてるよ」
「うそでしょ」
自分に認めさせようとして、誘導してるのかと感じた。
「うそじゃないって。ほぼ毎日やってるよ。大体、今くらいの時間にね。場所は今彩花ちゃんが座ってるところかな」
「ひっ…」
真奈美が、対面の彩花が座るソファーを指差した。真奈美の指先が、自分の股間を差してるように感じた彩花は、慌てて股間を手で被った。
「うふふ、ここに座って、前のテレビでエッチな動画を観ながらいつもしてるの」
彩花が驚く隙に、対面に座っていた真奈美は立ち上がり、彩花の隣に移動して腰を下ろした。
(な、なに?どうして隣に…)
動揺した彩花は、股間を被った手を太ももで挟んで無意識にガードした。
「うふふ、なに硬くなってるのよ。で、彩花ちゃんはどんな感じでやってるの?」
「えっ?」
「『えっ』て、惚けちゃダメ。オナニーよ。あたしも教えたんだから、彩花ちゃんはどんなオナニーしてるか教えてよ」
「そ、そんなこと言えない…」
真奈美の目がまたキラリと光った。
「うふふ『やってない』じゃなくて『言えない』ってことは、してることを認めたってことよね」
「あっ…」
彩花の顔がさらに赤くなった。
「うふふ、彩花ちゃんてわかりやすい。言い辛いなら、あたしが言う方法が正解だったら頷いて、違ったら首を横に振ってね」
「言い辛いってわかってるなら、もう赦して…」
彩花は弱々しく懇願した。
「ダーメ。なんでも話し合える友達になりたいんだもーん。じゃあ、聞くね。あたしみたいにエッチな動画見ながらするの?」
真奈美は有無を言わさずに畳み掛けた。
「ううっ…」
それでも彩花は、息を止めて答えるのを躊躇した。
(うーん、手強い。真希や智子ちゃんなら、この時点でオナニーまで実践してるのに。でも負けないぞ)
自分のことを棚に上げた真奈美は、彩花の攻略に対してやり甲斐を感じた。
「彩花ちゃん!あなたはエッチな動画を観ながらオナニーしてますか?」
今度の真奈美は、彩花の両肩を掴み、その目を凝視しながら聞き直した。