真夏の夜=2人っきりの夜(前編)-5
次の日、アタシは3つ後悔していた。
その1、聞こうと思ってた進路の話を全くしなかったから。
その2、結局、憲には勝てなかったから。
そして、その3……。
「あの、白雪」
顔を真っ赤にした愛里が洗面所のアタシに話しかけてきた。
「その……昨日の夜、太田くんとさ……」
「ま…さか、見てた…………?」
「ううん、見てないよ!……見てないけど」
あぁ、見てないのか、ってこれはもうバレてる!?
更に悪い事にあたふたしながら言い訳をしようとした所に母さんが来た。
「白雪さん」
「か、母さん」
ヤバい……お仕置きされる
「お若いのですから、まぁ昨夜の事は許して差し上げましょう」
よ、良かった!!!
が、安心したのもつかの間、アタシは人生最大の汚点を残した事に気づいた。
「声が大きいと思いますよ」
「!!!!!!」
お若いのは良いですね、と…笑いながら母さんはフェードアウト。愛里もそのまま消えていった。
そして、洗面所には……
「……あ、あぁ……………あぁーーー!!!!」
頭を抱えて絶叫するアタシが残された。
続く(笑)