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妙子
【その他 官能小説】

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妙子-22

 「あら? 出歩いたら駄目だって言ったでしょ?」
 「お前今日はしょぼい服着てんなあ」
 「ほとぼりが冷めるまでこんな所に来たら危ないよ」
 「その上着脱いでみろ。そうだ、それで大分良くなった」
 「盛り場うろついたら危ないって言ってんでしょ。此処ら辺はヤクザが多いんだから」
 「これ何て言うんだ?」
 「これ? タンクトップ」
 「タンクトップ? そうか。ミルクタンクを包むからな」
 「此処へ来る途中に誰かに見られたりしなかった?」
 「この脇の下のお肉がぷっくりはみ出してんのがエロだなあ。こういうのが俺は嫌いじゃないんだって言うより好きなんだ。どっちかって言わなくても」
 「お店に来てくれるのは嬉しいけど、まだ当分うちにいなきゃ駄目だよ。言ったでしょ?」
 「スカートももうちょっと上げてみな。ウェストで折り返せばもっとミニになるだろ」
 「ねえ、聞いてんの?」
 「うん。そうそう。それでずっと良くなった」
 「またあいつに会ったらどうすんの。ばったり会うかも知れないじゃないの」
 「どれ、今日のおパンティはどんな奴ですかあ? おっ、そうか、まだ生理だったのか」
 「もう殆ど終わってる。ねえ、うちに帰った方がいいんじゃないの? この店にあいつの仲間が来て顔見られたりすると危ないよ。ヤクザだってこの店来るんだから」
 「ひょっとしてそのゴムのパンティはもともと生理用なのかな?」
 「そんなこと無いでしょ。それにしては小さ過ぎるもん」
 「もうすぐ終わるんなら、いよいよバイブ付きパンティにお出まし願わないといけないな」
 「一緒に帰った方が安全かな。今帰ると却って危ないかもね」
 「そうそう。明日は平日だから休めるだろう?」
 「うん。どうして?」
 「だから言ってんだろ。おバイブ付きの股間下着を着用あそばしてだなー」
 「まだそんなこと言ってる。危なく死ぬとこだったって言うのに」
 「それはもう心配要らないと言っただろ。今日はそれを説明してお前に安心して貰う為に出て来たんだ」
 「説明って?」
 「だからな、腹が破けた男の上司に会って話を聞けばお前も安心するだろ」
 「上司?」
 「ああ」
 「あいつヤクザじゃなかったの? サラリーマンだったの?」
 「いや、ヤクザだけど今はもうヤクザの社会もサラリーマンと同じさ。上司の言うことなら何でもへいへい言いなりだ。昔みたいに指つめて兄貴の横暴をいさめようなんて侠気のある奴はいなくなっちまった」
 「それじゃ上司ってそいつの兄貴分?」
 「ああ、兄貴分どころかもっとずっと上の奴だ。まあ会社で言うと専務ってところだな」
 「専務? そんなのとこれから会いに行くの?」
 「ああ、お前も一緒だ」
 「どうしてそんな危ないことすんの。ほとぼりが冷めるまでじっとしてればいいじゃないの」
 「馬鹿だなあ。お前もう眼がうるんでるぞ。俺は女の涙に弱いんだ。だからもう心配要らないってことをお前に分からせる為に専務に会うだけで、危険は無い」
 「本当?」
 「ああ、危険があったらお前なんか連れて行くもんか」
 「ああそうか」
 「お前は幸せだな」
 「何で?」
 「今時のヤクザなんて何かあると、自分の女くれてやるからそれで勘弁してくれなんて言う奴ばっかりなんだぜ」
 「えー。そんなの酷い」
 「そうだろ。さんざんズッコンバッコンやっといて、いざとなると5000円札くらいにしか思わない。ちょっと惜しいけどこれで何とかなるなら手放すかてなもんさ」
 「酷ーい。研はそんなことしないよね?」
 「する訳無いだろ。俺と1週間も暮らしててそんなことがまだ分からないのか」
 「まだ4日しか経ってないよ」
 「前に3日間一緒に暮らしたから通算すれば1週間になるだろ」
 「そうか」


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