妙子-18
「おっぱいって危険物なの?」
「それはそうだ。世の中にこれ程危険な物は2つと無いだろうな。いや、2つで1組だから2組とは無いと言うべきか。何しろ俺のような冷静な男でさえ狂わせるんだから」
「こぼれてもいいんなら、これ着たっていいんだけど」
「それじゃ行くか」
「これだとハイヒール履かないといけないからゆっくり歩いてね」
「ああ、時速50メートルくらいで歩いてやる」
「それってゆっくりなの?」
「極めてゆっくりなんである」
「何かこれ着てネギ買ったりするの恥ずかしい気がするね」
「何でだ。ネギだろうとコンニャクだろうと買えばいい」
「あれ? 研はすき焼きにコンニャク入れるの?」
「糸コンニャク入れるだろ? 俺は白滝より糸コンニャクの方が好きだ」
「それとお豆腐ね」
「肉は買わないのか?」
「あ、忘れてた」
「お前。主役を忘れてはいかんな。肉の無いすき焼きなんて味噌の入ってない味噌汁みたいなもんだ」
「味噌が入ってなくてもみそ汁って言うの?」
「だから肉の無いすき焼きなんてすき焼きとは言えんのだ。只の野菜の煮付けだろ」
「牛肉、大丈夫かしら」
「何が?」
「狂牛病とか何とか騒いでるじゃない」
「何? お前の口からそんな言葉が出てくるとは驚いた。一体そんな言葉何処で仕入れたんだ」
「テレビで言ってたよ」
「なるほど。テレビはお前のお友達だったな」
「研はテレビ見ないから知らなかったの?」
「何を?」
「だから狂牛病」
「阿呆。お前が知っていて俺が知らないことなんてあるか。お前のケツの穴の皺の形だって俺はお前よりも詳しく知ってる」
「だって自分のケツの穴の皺なんて見れないもん」
「ご婦人がケツなんて言葉使ってはいけないな」
「じゃ、お尻」
「まあそれでもいいが、オケツと言いなさい」
「オケツ? 何か何となく厭らしい」
「何でだ」
「研は時々変な言葉使うよ。おパンティとか」
「おを付けるのは丁寧で上品なんだ」
「そっか。それでオチンチンて言うんだ」
「そうそう。・・・お前それ真面目に言ってる?」
「え? 何で?」
「いや、いいんだ」
「ねえ、タレも買って行かないといけないんじゃない?」
「おお、そうだ。お前が味付けなんてしたらすき焼きにならないからな」
「すき焼きにはなるよ」
「いや、嫌い焼きになりそうだ」
「嫌い焼きって何?」
「質問する程のことではない。タレを買え」
「これでいい?」
「馬鹿。ヤキトリのタレ買ってどうすんだ。だから嫌い焼きになるって言うんだ」
「あ、本当だ」
「こっちにあるだろう。そのデカイの買っとけ」
「こんなに使うのかな」
「いいんだ。俺は汁気の多いのが好きなんだ。お前のあそこみたいな」
「え?」
「いちいち気にするな」
「何か2人で買い物するって楽しいね」
「そうか? 俺もお前のその服見てっと楽しい。おっぱいがゆらゆら揺れてるから船酔いしたみたいな気分だ」
「こんなとこばっか見てるからよ」
「その為にそれを着せたんだろうが」
「でも研だけじゃなくてみんな見てるね」
「それはそうだろ。それを見て何とも思わん男はいないだろ」
「見ても怒らないんだね」
「まあ、裾野くらいはいい。おっぱいの神髄はやはり乳首だからな」