セイン・アルバート(後編)-5
リナに腕を掴まれ、連れ込まれたのは食堂だった。
・・・正確には、食堂だった場所と言うべきか。
広く、長机がいくつも設置された場所だったが机は残骸と化して角や床に散らばっている。
食堂の中央には・・・大きな木のような物が佇んでおり、上の階をも貫いていた。
その木は・・・細い触手のような物が男性騎士や僧兵達に伸び、その身体を侵食するように組み付いていた。
触手に侵食された男達は正気を失った瞳で、シスター達を犯し尽くしている
もはや男達は人間と呼んでも良いのか分からない状態だ。
「シャリィ、貴様ぁぁぁ!!!」
「あら。私は何もしていないですよ?彼らが勝手に魔に墜ちただけですし、アレを育てたのは貴方達なんですから」
シャリィが言うには男達は触手に操られてはいないとの事。
寮の地下室に植えた触手の木に栄養を与えていた流れが視覚化したにすぎないらしい。
触手の木の栄養は・・・性欲。
性欲に溺れた者達が発する感情や魔力を糧にして成長を続けていった。
少しばかり見た目は変わったが、今までと何も変わらない。
触手の木は栄養を貰う代わりに、男達に精力を与える。
男達の思うがまま、気が済むまで射精ができるようにサポートしているに過ぎない。
「じゃぁ、リナは・・・!?」
「元気なく、部屋の隅で泣いてとのをあの人が励ましてあげたんですよ。ちょっと元気になりすぎて・・・少しばかり魔に墜ちちゃったみたいですけど」
「あの人・・・?」
「私の大好きな方です。ご褒美に抱いてもらったけど、忙しいとかですぐ戻っちゃって」
シャリィは他の女抱くのに忙しいとかだったら許さないんだから、とボヤくとスカートをたくし上げる。
下着はつけておらず、大量の精液が膣から流れ出ていた。
それを恥ずかしいとも思っていないようで、流れ出る精液を愛おしそうに手ですくって口に運ぶ。
そのまま精液をしっかり味わうように口で含んでから飲み込んでいた。
一時だけ恍惚と満ちた表情になるが、すぐにいつもの穏やかな表情に戻る。
「本当に私がやった事なんてほとんど無いんですよ。地下に触手の木を植えたのと、精のつく料理を作りながら管理人の仕事をしていただけ。後は貴方達が勝手に墜ちていったんですもの」
シャリィはそう言うと、話しは終わったと言わんばかりに触手の木に向かっていく。
自分は他の男達に抱かれるでもなく、ただ様子を見ているだけのようだ。
追いかけて文句か何かをぶつけたいが言葉が出てこない。
それに、リナに腕を力強く掴まれているので動く事もできなかった。
「話しは終わった?じゃぁエッチしよ?」
「リナ・・・。お前はコレで良いのか?」
「良いよ。セインと一緒にいられるなら何でも良いよ」
リナは迷いのない目でオレを見つめてくる。
状況はおかしいが、いつもと変わらない純粋な少女のような瞳。
どうしてお前は・・・オレなんかにこんなにも拘るんだ。
オレは、お前を切り捨てた。
怨んでいい、憎んでもいい。リナにはその権利がある。
お前に殺されるなら自業自得だと受け入れる事もできると思うが、なぜこんな姿になってまでオレを求めるんだ。
そして、オレが狂わせてしまったのはリナだけじゃない。
シイナ・カステヤノス。
真面目で、けれど慣れない環境に怯える小動物のようだった彼女。
アイツは今どこで・・・。
「・・・あぁ。シイナ探してるの?あそこにいるけど見たら幻滅するよ?」
「なに・・・っ!?」
シイナが指さした方を見ると・・・触手の木の側にいた。
風景に同化しており、気づけなかった。
だが、彼女は裸で。触手に両腕を縛り上げながら吊るされている。
しかも触手に膣とお尻の穴を挿入されながら、だ。
「た、隊長!?見ないで・・・あひぃっ!?」
シイナは激しく触手に犯されながら喘ぎ声を上げていた。
とても気持ちよさそうに表情を歪めながら。
見ないで、と言うが彼女はオレに見られる事でより一層と興奮が増しているよう。
ずっと見てきた光景だから・・・分かる。
だが・・・彼女のお腹の膨らみは何だ?
ずっと避妊もせずに性欲のまま行為に及んでいたとはいえ一日見ないだけであんなにも膨らみはしないだろう。
「ほらほらシイナ。そんなに喘いでたらセインに幻滅されちゃうよ?」
「ち、違うんですたいちょぉっ!あっ!?私、むりや・・・あぁっ!?」
「うわぁ、シイナは本当に変態だね。セインに恥ずかしい姿見られるの大好きなんでしょ?」
リナがオレの元から離れ、シイナの元へ寄っていく。
するとシイナの膣とお尻から触手を引き抜き、お腹を優しく撫でていった。
膣からは精液のような物が流れているが・・・。
「だ、ダメ・・・!?止めて、リナ・・・!?」
「ほんとーに止めてほしいの?だったらセイン連れてってシイナの事見えないようにしてあげるけど」
「あ・・・・・・・・・」
リナの言葉にシイナは黙り込み、オレの方へと視線を送ってきた。
その表情も・・・見慣れた物だ。
オレに恥ずかしい要求をされ、顔を真っ赤にしながらも応える時の顔だ。
その表情に引き寄せられるように・・・オレはシイナの側に寄っていった。
するとシイナは恥ずかしさのあまり爆発しそうなくらい顔を真っ赤にするが、恍惚と満ちた顔に変わる。
とても・・・変な状況だが、リナと同じくシイナの在り方は変わっていない。
いつもの、オレに虐められて喜ぶ女の顔だ。