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魔へと溺れユく女タチ
【ファンタジー 官能小説】

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セイン・アルバート(後編)-3

行為に及んだ後のクラリスは・・・。



「セイン、ちょっと変わったかと思ったけどいつも通りでしたね」



と言いながら汗だくになりながら微笑んでいた。
彼女としてはやはり自分が優位に立てる方が安心するようだ。

クラリスは・・・変わったオレの事を全く理解していない。
けれども汗だくになりながらも微笑む彼女はとても美しく、オレの心の中には愛おしさが沸く。

我慢できなくなって、彼女に触れるだけの優しいキスをした。


自分の中にある感情に整理できていないが、彼女の事を好きだという気持ちが色褪せる事はなかった。
いっそ寮で起きている事は忘れてしまった方が良いのか。

どうせ、残り2週間にも満たない環境だ。
リナとはほとんど会う事もなくなるだろうし、シイナも同じ騎士でも部隊が違うので顔を合わせる事はあっても一緒にいられる時間はかなり減るだろう。


あれだけ好き放題しておいて都合が良いのは分かっている。
けれどケジメはしっかりと付けないといけない。
そのケジメも自己満足かもしれないが、何もせずぐだぐだしても物事は悪くなる一方だ。

きっちりとケジメをつけよう、と思い立つとこれからの事に不安も沸き上がる。
自業自得なので不安に溺れる事もできないが・・・。

目の前に愛しい彼女がいるのだ。
今だけはつい甘えてしまう。



「セイン?」

「・・・・・・・・・」



彼女を抱きしめ、暖かい温もりを感じる。
また啄むようなキスを繰り返してしまったが・・・クラリスは優しくオレを受け止めてくれた。

何も言わず、抱きしめ返してキスにも応えてくれる。



「よく分からないですけど・・・頑張って、くださいね」

「・・・あぁ」



彼女もオレの心境の変化に気がついたようだが、深くは踏み込んでこなかった。
踏み込みはしないが、ただひたすらにオレを受け止める。

・・・彼女なら、オレのドス黒い感情も受け止めてくれるだろうか。

今後がどうなるか分からないが、クラリスを愛おしいと思うこの気持ち。
それだけは貫けるようにしたい。


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