みどり-12
「あー、いいなあ。お前最高の脚してんな。こんなの隠したらいけないぞ」
「有り難う」
「ミニ・スカート穿くと脚が余計綺麗に見える」
「本当?」
「ああ。良し、行くぞ」
「えっ?」
「ほら、早く来い。そんな顔するな」
「恥ずかしい。陽ちゃん、お願い」
「もじもじするな。真っ直ぐ立って歩かないとオムツが見えちゃうぞ」
「見えない?」
「そのまま歩いて行ってみろ。後ろから確認してやるから」
「どう?」
「大丈夫だ。見えない」
「本当?」
「ああ。だから心配するな」
「こんな短いとスカート穿いてる気がしない」
「今に慣れる」
「脚がスースーする」
「もっと大股で歩いてみな」
「こう?」
「そう。それでもっと胸張って」
「うん」
「胸を張るっていうのは腰をまっすぐにしろっていう意味だ」
「こう?」
「もっと腰を突き出すみたいにしてみな」
「こう?」
「そうそう。それで真っ直ぐだぞ。それが自然な姿勢なんだ」
「なんかそっくり返っているみたいな気がする」
「今まで俯いて歩いてたからそう感じるんだ」
「うん。そうかな」
「顔も真っ直ぐ上げてみろ」
「こう?」
「ああそうだ。いいな、いい恰好だ。お前スタイルいいんだから、いつもそうやって歩かないといけない」
「こんな服装してこんな姿勢で歩いてると、何だか私、私じゃない人に変装してるみたいな気がする」
「違う。それが本当のお前なんだ」
「これが?」
「ああ。みんなお前を見てるだろう。お前は顔も可愛いけど、本当はスタイルが凄くいいんだ」
「本当?」
「ああ。ちょっとスカートめくってオムツ見せてやるか」
「厭、やめて」
「冗談だよ。そこまでサービスすることない」
「陽ちゃんって本当にやりそうだから怖い」
「本当にやるよ、やりたくなったら」
「厭だ。お願い」
「お願いしたってやるさ。お前は俺のこと好きなんだろ?」
「好きだけど」
「だったら我慢しろよ。俺がやりたいっていうことくらい我慢したっていいだろ」
「でも」
「心配するな。おれだって滅多やたらにお前の下着を人に見せようなんて思わない」
「良かった」
「それからな、そんなミニスカート穿いたらもっと化粧も派手にしないと似合わないぞ」
「そう?」
「それはそうさ。髪だって染めて全体を派手でまとめた方がいい」