夫の目の前で-2
Zが腰を使い始めた。
「ぁあ、ああ……あぁああああ…………いやぁあ……！！」
さきほどイク寸前まで高められた性感が敏感に反応する。
肉と肉の擦れる音、そこにニチャニチャグチョグチョと、粘り気の帯びた液体が絡まる音が重なる。
イカない程度に絶妙な加減で腰を突き上げ、ゆきを刺激するZ。
「あ……ぁ……あああああ……ぁあ……あああ！！」
イキそうになると動きを止める。
「ほらゆきさん、俺のチンポがゆきさんの中に出たり入ったりしてるとこ、Oさんにしっかり見てもらお？」
ゆっくりペニスを抜き挿しして羞恥を煽る。
「いやぁあ……ああああ……パパぁあ……」
こんなに長いものがゆきの身体の中に入っていたのかと目眩がするほどのZのペニス。
妻の花びらの中にずっぽりと埋め込まれ、そしてまた出てくる。
私は前のめりで二人の結合部分に顔を近づけて観察する。いやらしい匂いがしている。
「あぁああ…………ああ……あ……ああ……見ないでぇ……」
そしてまたゆきが絶頂に達する寸前まで激しく腰を動かす。
「ぁああ……ああああ……あ……あだめ……ああ……あ……あああ！！」
また急停止して焦らす。
「ゆきさん、旦那さんに腰振るところ見てもらおうよ」
「……ぁあ…………あ……ああ……」
「それとも俺におねだりするところを見てもらう？『もっと腰動かして』って」
どちらでもゆきにとっては地獄だ。
夫に絶対に見られたくないところを見られることになる。
いったいゆきはどちらを選ぶのか。
「……ぁあ……あ……んん……あああ……パパおねがい……あっち行って……」
「ゆき、俺怒らないから。好きなようにしていいよ」
「だめぇ……恥ずかしい……ぁああ……あ……」
「そう言うってことは、ゆきももっと気持ちよくなりたいんだね」
「…………」
「選んでゆき。ゆきが何をしても嫌いになったりしないから。エッチなゆきをいっぱい見たい」
「……ぁああ……あ……もう知らないよ……パパのバカ……」
そういうとゆきは観念したように上を向いて目を閉じてつぶやいた。
「ぁあ……もっと……動いて……ぁあああああ！！！」
Zが激しく腰を突き上げて、またすぐ止める。
「これでいいかな、ゆきさん」
「ぁ……あ……あああ……どうして？……もっと……もっと動かしてぇええああああああぁああ……あぁ……あああ！！」
Zは言われたとおりに下から何度か妻を突き上げる。
しかし少し動くとすぐストップしてしまう。そんなことを3回、4回と繰り返す。
Zのペニスが体内を往復するたびに切羽詰った喘ぎ声を発するゆき。
「ぁあ……ああああ……だめ……足りないの……もっと……もっとなの……もっと動かして……あああああああ！！」
ねちっこい責めに妻が壊れ始めた。
「ぁああ……あ……あああ……そこ……ぁああもっと……もっとして……そこいいのそこそこそこ……ぁああああいいのぉぉぉおおおもっとぉぉぉおお！！」
妻のおねだりから遠慮や恥じらいといったものが感じられなくなってきた。
Zの思う壺だ。
「どこ突いてほしいの？ちゃんと教えて？」
「そうそこ……そこもっと突いてぁああ……あああいいの……もっと突いてもっと突いてあぁああああああ！！」
ソファに深く腰掛けるZの膝の上で、ゆきの身体が暴れている。
「上手に言えたね、ゆきさん。もっと教えて。何で突いてほしいの？ここでいいの？」
「そこでいいのそこ突いてもっと……あぁあああもっとそこ突いて……そこそこぁあああ……ぁああもっと突いておねがいぃぃぃいい！！」
突き上げられるたび、丸い乳房がぶるんぶるんと上下に揺れている。
「ゆきさん、何で突いてほしいか言わないと。誰の何で突いてほしいの？」
「ぁああああああおちんちん…………Zくんのおちんちんで…………突いてぁあああああZくんのおちんちんでいっぱい突いてほしいのぉお……ぁあああ！！」
これがあのゆきなのか。
昔と変わらぬ妻の幼い笑顔が脳裏をよぎる。
他人棒を必死でおねだりする目の前の女と同じ人物とはとても思えない。
「ぁああ……ああぁいっちゃう……あ……あああいいのそこいっちゃう……もっと突いてぇぇえ……ぁあああZくんのおちんちんでもっと突いていくいくいくいくぁああああああ！！！」
どんなに否定したくとも、これは私の妻なのだ。
「いっちゃういっちゃういっちゃうZくんのでいっちゃうだめだめだめだめぇぇえぇええあああああ……おちんちんいいのもっと突いてZくんのおちんちんでもっと突いて……そこそこそこだめだめいっちゃういっちゃうぁああああ…………いくいくいくぅぅぅぅぅうううああああああ！！！」
私への完全なる裏切りの言葉。
それなのに、Zの上で背筋をのけぞらせ、可憐な喘ぎ声を響かせているゆきがこの上なく美しく愛おしい。
妻は切なく甲高い声を残して、もう何度目かもわからない絶頂の縁へと到達した。
ゆきを他人に貸し出し、セックスをさせる。
夫には一度も連れていってもらったことのない頂へ、何度も何度も導いてもらう。
そうすることで、夫婦でともにアブノーマルな興奮に身を任せ、愛を深めるという変態行為。
決まった異性との愛しあうセックスしか経験がないであろうゆきにとって、心身への負担は並大抵なものではないはずだ。
私のために女としての性を捧げ、身体を他人へ提供し続けてくれるゆきに対して、愛が溢れてくる。
「ゆき……」
手を握ると妻がこちらを向いた。
Zの上でぐったりしている、まだ挿入したままのゆき。
目を真っ赤に腫らしている。
「……パパぁ……」
救いのない絶望的な姿を夫に晒してしまったゆきに、優しい言葉をかけてあげたい。
しかしこの絶望にはまだ続きがあることを、このときの私もゆきも知る由もなかった。