文香-1
「いいおっぱいしてるな」
「デブだから」
「俺は胸の大きい女が好きなんだ」
「でも私デブだから」
「デブでも胸が大きければいいんだ」
「本当?」
「ああ。それにお前はデブじゃない。丁度いい」
「嘘」
「嘘じゃない。この二の腕なんか最高。ちょっと後ろ向いてみな」
「こう?」
「ああ、いいケツしてる。ほら」
「あっ」
「プリプリしてるじゃないか」
「やめて」
「やめられるか。このケツが悪い。このケツが俺の手を誘ってる」
「あっ、そんな動かさないで」
「何悶えてんだよ。人が見てるだろ。ケツ揉んでるだけじゃないか」
「だって」
「感じてるのか? どれ」
「あー」
「お前、デブだからデブだからって言う割にはこんなミニ着て。パンツがもう濡れてるぞ。恥ずかしくないのか? 濡れたパンツがミニから見えてるぞ」
「も、もう駄目」
「あー。お前おしっこしたのか?」
「してない」
「じゃ、これは何だよ」
「お願い。もう立ってられない」
「これはいかんな。うちへ入れ。注射してやる。治療しないと駄目だ」
「大丈夫。病気じゃないから」
「遠慮しないでいい。立ってられない程の気分ならそれは大ごとだぞ。いいから来い」
「ねえ、本当に大丈夫だから」
「まあいいから上がれ」
「竜ちゃんいい所に住んでるんだね」
「こっちへ来いよ」
「私トイレに行きたい」
「いいから、ほら。こっちへ来い」
「ちょっとトイレに行かせて」
「此処がお前のトイレだ」
「其処はベッドじゃない」
「ベッドじゃない。お前の具合を見てやる診察台だ」
「おしっこしたい」
「診察台だからおしっこしたって構わないんだ。此処に寝てみろ」
「ベッドにおしっこなんか出来ないよ」
「おしっこならもうさっきしただろ。パンツびしょびしょじゃないか」
「これおしっこじゃないよ」
「ほら。見てやろう。あーあ。お前いい年してこんな子供みたいなパンツなんか穿くなよ、みっともない」
「子供みたい? 良くない?」
「全然良くない。ほら、こんなの脱げ」
「あっ、ちょっと待って。脱がさないで」
「こんな濡れたパンツ穿いてると体に良くない」
「いやー」
「いやーったって、お前あそこがパクパク動いて早く注射して下さいって言ってるぞ」
「注射って何するの?」
「ビタミンとミネラルと蛋白だ」
「え? ほんとに注射すんの?」
「そうだ。痛くないから大丈夫だ。目を瞑ってじっとしてろ」
「竜ちゃん、私本当に病気なんかじゃないんだって」
「病人は黙ってろ。ほら、太い注射してやる」
「あっ」
「気持ちいい注射だろ。お前びしょびしょなんてもんじゃないな。ヌルヌルだ」
「あー」
「おしっこしたければこのまましてもいいぞ。俺は優しいからな」
「あ、あ・・・」