ヤリマン 沙希-2
大吾には分かっていた。沙希が来る事を。なぜならアプリ画面の沙希のアイコンがこちらに向かって来ているからだ。ふと外を見ると沙希が車を探しながらこちらに向かって来ているのが見えた。そして車を見つけた沙希がドアを開け車に乗り込んで来た。
「嬉しいよ、来てくれて。今日も楽しもうね、優子ちゃん」
そう言った大吾にキョトンてする沙希。
「わ、私…優子じゃないですけど…」
勿論わざとだ。大吾の作戦だ。
「え!?マジ??優子ちゃんじゃ…。あ…、ご、ごめん…、人違いだった!!」
わざとらしく驚く大吾に沙希は困惑する。
「い、いや、凄く似てたから…。本当にごめん!!失礼な事しちゃったかな…!?」
「い、いえ…」
「援交なんかしないよね…??ごめんね??」
「だ、大丈夫です。」
「マジかー、人違いか…。金が入ったから女子高生と遊べると思って楽しみにしてたんだけどな…。」
「…」
「てかこの時間、他の子探すって言っても女子高生なんかいないよな…。諦めるか…」
沙希は様子を見ながら恐る恐る口を開く。
「女子高生と遊ぶの、好きなんですか…?」
「ん?う、うん。好きなんだよねー。」
頭をかき照れ仕草を見せる。
「も、もしですが…、私で良ければ…」
「え?き、君、こういう事、するの??」
「は、はい…。」
「マジ…?い、いや…こんな可愛い女子高生と出来るなら俺はウェルカムだけど、本当にいいの??」
「は、はい…。5…万円…、くれるんですよね…?」
「ん?う、うん…、それは大丈夫だけど…」
「本当ですか?もしその優子さんの代わりに私でいいなら…、大丈夫です。」
大吾はあまりの作戦通りの結果に心の中でニヤリと笑い、白々しく演技する。
「ま、マジ!?い、いや…是非お願いしたいよ!え?マジでいいの??」
「はい…」
大吾はわざとらしく喜んだ。
「じゃあさ、俺のこと不安だろうだから、初めに渡しておくよ!」
大吾はポケットから5万円を出し沙希に渡した。
「え?い、いいんですか??」
「うん。人違いで迷惑かけたお詫び。信用して欲しい意味も込めて。」
「大丈夫です。その優子さんの代わり、しっかり務めますから。」
「ありがとう!マジ嬉しい。ここだけの話、優子ちゃんよりも、君の方が可愛いよ♪」
「え〜?♪」
沙希はようやく表情が和らいだ。そんな沙希を見て大吾は心の中でガッツポーズをしたのであった。