雨音-5
しばらくして、高之と美佐は再びリビングに戻っていた。
二人とも裸であったが、風呂に入って温まったせいか、火照った身体には部屋の冷気が心地よかった。
「ねえ、高之。コーヒー、飲む?」
そう言って、台所に立つ美佐。高之は気のない返事をすると、大きな伸びをしてソファーに横になった。
少しのぼせたのだろうか、体が気怠く、頭の中がはっきりしなかった。大きく息を吸い込むと、目の前にテレビのノイズのようなものが走り、一瞬気が遠くなる。
雨の音、そして台所ではサイフォンと食器のぶつかる小さな金属音。どれもが虚ろで、現実感がなかった。
「も〜お、お兄ちゃん!そんなところで寝ないでよーお!!」
台所から姿を現した美佐の声に、高之はのろのろと起き上がった。すると目の前には、エプロンだけの美佐が、トレイにコーヒーを乗せて立っていた。
「なんて格好してんだい…」
高之は呆れて思わずこめかみを押さえ、呻き声を上げた。そんな高之の態度に、更に頬を膨らませる美佐。
「むぅあああっ、その態度は何よ、何よぉっ!!!高之が喜ぶと思ってしてあげてるのに、何だってそんな態度なのよぉっ!!バカ、間抜けっ!むっつりスケベぇっ!!!」
テーブルに勢いよくトレイを置くと、美佐は自分のマグカップを手にとって高之にそっぽを向ける。
高之はそんな美佐の態度に、まるで頓着していないような振りをして、自分のカップを取ると、コーヒーを口に運んだ。
気まずい沈黙の中、最初に口を開いたのは高之だった。
「あのさ…」
高之の言葉に、美佐は耳を傾けない。
「あのさ…」
「…なによ」
「…その格好、可愛いと思うよ」
「……バカじゃない」
冷たく言い放つ美佐。高之はそれ以上は口を開かなかった。
しかし、しばらくすると美佐は席を立ち、カップを持って高之の横に腰を下ろした。
その横で、無表情を装いながらコーヒーを口にする高之。視線を動かすと、白いフリルの横から、胸元からふくよかな胸が覗き、高之は所在なげにカップをテーブルに置く。
あれほど風呂場で精を絞り出したというのに、再び活力を取り戻し、むくむくと鎌首をもたげる若竹。
美佐もそれに気が付いたのか、コーヒーを啜りながらも視線はちらちらと高之の股間に向いていた。
「…あ、あのさ」
高之は何か言おうとしたが、言葉が出なかった。しかし次の瞬間、美佐はカップを下ろすと高之の肉棒にその細い指を伸ばした。
驚く高之をよそに、足下にしゃがみ込む美佐。美佐は小さな舌先で唇を湿らせると、その柔らかな唇を開き、硬くなった亀頭を飲み込んだ。
「…んっ!」
少女の熱い口腔に包み込まれ、小さな悲鳴を上げる高之。ぽってりとした唇が竿を挟み込み、唾液にまみれた柔らかな舌がねちょねちょと亀頭に絡み付く。
美佐の口淫はまるで陰茎が蕩けそうに心地よかった。小さな口に余るほどの陰茎を、懸命に咥える美佐。咥えるほどに口の中に生暖かい唾液が溢れ始めるが、それを飲む下すことが出来ないので口の中にとろとろと溜まり、やがて口の端から泡を持ってこぼれ落ちた。
首筋や胸元を濡らしながら、あふあふと口を動かす美佐。時折垣間見える肉径は唾液にまみれ、てらてらと淫靡な光沢を放っている。
喉が動き、舌が絡み付き、唇がやわやわと締め付ける度に、下半身を甘い痺れが流れ、じんじんと肉棒を刺激する。
やがて、美佐の口の動きが早くなり、じゅぶじゅぶと淫らな音が聞こえ始めると、高之の中に絶頂の波が押し寄せた。
「うっ!も、もう…」
美佐の口の中を汚したくなかった高之は、美佐の頭を掴んで引き離そうとするが、美佐は頑として口を離れず、絶頂を迎えた高之はどろどろの粘液を少女の口の中に吐き出してしまった。
「ん、あふぅ…」
高之の精を、恍惚とした表情で飲み下す美佐。口の端から白い液がこぼれるが、それすらも名残惜しそうに指ですくい、口の中に押し込む。
そんな双子の妹の、艶然とした様子に、高之は再び情欲を催し、そのむちむちとした若い身体に、またも挑みかかっていった。
「あんっぅ!…お兄ちゃん、まだやるの?」
高之の逞しい腕に抱かれ、嬌声をあげる美佐。しかし、高之はその唇を荒々しくキスで塞ぎ、今にも折れそうな細い腰を力強く引き寄せる。