雨音-4
高之を受け入れるように、腕を背に回して抱き寄せる美佐。高之は美佐の濡れて小さく開いた可憐な唇に自分の唇を重ねた。ちらりと鏡に目を走らせると、淫靡な湯気の向こうで、同じ顔の人間が互いの唇を貪っていた。
唇を開き、高之の舌を絡め取る美佐。にちゅにちゅと舌が絡み合い、溢れ出た唾液を互いに奪い合う。
鏡の向こうとこちらで同じ顔が四つ。高之は一瞬目眩を覚えたが、すぐに頭からそれを追い出し、硬くなった亀頭で美佐の花弁を割り開いていった。
ぷちゅる。
亀頭に押し出され、生暖かい体液がわずかに溢れ出る。
「あ…ふぅあっ!…あ、あん…、お兄ちゃんの…とっても硬くなってる」
鉄のように硬くなり、それでいてしなやかな肉の棒。その肉棒がぐいぐいと花弁を押し広げて美佐の胎内を満たしていく。そしてそれが完全に身体の中に収まると、美佐は息苦しいような圧迫感を感じた。それは苦しいだけのもではなく、切なさと奇妙な充足感の入り交じった奇妙な圧迫感であった。
「んぅ…ふ…、お願い、もっとしてぇ…、お兄ちゃんの硬いので、美佐のこともっと掻き回してぇ…」
目に涙を溜め、頬を羞恥に染めて美佐は切願した。その美佐の愛らしい様子に、高之は小さく呻くと、硬くなった肉棒をぐいぐいと突き出していった。
「んぅあっ!?」
白い喉を見せ、大きく仰け反る美佐。その美佐の背中を抱え、高之は激しく肉棒を突き上げる。
「ああんぅっ!い、…っ!?…ん、んんっぁあっ!」
一度肉棒をねじ込んでしまうと、高之にはもはや余裕はなかった。美佐の痴態に逸物は痛いほどに勃起し、海綿体がはち切れそうに硬くなっている。その痛みを和らげるのは少女のぬかるんだ蜜壺しかなく、柔らかな内蔵の中に高之は必死で肉棒を突き入れた。
「んああっ!!…お腹がめくれちゃうっ!!は、んんぁあっ!?はげ…しっ!!」
飢えた獣のように、高之は美佐の身体を貪った。美佐の花心は溶けたバターのようにとろとろと肉棒にまとわりつき、ちゅばちゅばと吸い付き、舐め回してくる。まるで陰茎がとろけ落ちそうなくらいに心地よく、腰が砕けそうになりながらも、高之は懸命に腰を振った。
そして美佐は、太くて逞しい肉棒に腹の中を滅茶苦茶に突きまくられ、気絶しそうなくらいに感じていた。まるで太い丸太で身体を貫かれたような圧迫感を覚え、削岩機のような激しい腰の動きに身体を仰け反らせ、白い乳房を震わせてすすり泣いた。
兄妹の結合部からは白い泡がじぶじぶと溢れ出し、美佐の柔らかな太股を淫靡にぬめらせている。
「いあぁああっ!?ん、んんぅあああああっ!!!」
次の瞬間、美佐は高之の身体に手足を絡ませ、背中に爪を立てた。すると膣内部が激しく蠢動し、物凄い締め付けに、高之はたまらず熱い溶岩を吐き出した。
亀頭が膨らみ、子宮に向かって樹液が噴出する。そして、それは高之の身体の痙攣と共にしぶとく続き、結合部からはびゅるびゅると濃厚な白濁液が漏れだしていた。
湯船の中で、身体を寄せ合う高之と美佐。激しい行為の後でぐったりとする美佐を支え、高之はぼうっとして窓の外の雨音に耳をそばだてた。
テレビのノイズのように、雨音は単調な音で地面を叩き、屋根の下の雨垂れがテンポよく相づちを打つ。
時折、車が水たまりを跳ね上げ、誰かが足早に家の前を通り過ぎる音が聞こえる。
全ての音が単調な雨音にかき消されていく中、どこからともなくピアノの音が聞こえてきた。
「なんだろう、この曲?」
聞き覚えのある曲に、高之は思わず首を傾げた。
「…トロイメライ」
目を伏せ、眠ったように見えた美佐が、高之の呟きに応じるように口を開いた。
「そう言えば、昔ピアノを習っていたよな…。どうしてやめたんだ」
高之はそう言ってぐったりとする美佐を抱き寄せた。女の身体の柔らかさが体に心地良い。
「うちにはピアノ無いし…。それに、私のシュローダーは此処にいるもの」
「僕はシュローダーみたいにピアノは弾かないよ…」
美佐はそれには答えず、高之の耳には再び単調な雨音だけが聞こえるようになった。いつしかピアノの音は聞こえなくなっていたが、どういう訳か、高之の耳にはそのピアノの音が耳について離れなかった。