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耀子
【SM 官能小説】

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耀子-36

 「私は君の事など調べもしなかったし、ロクに知りもしない。だけど上手く行くだろう? 私は女の選択に関してはいつもこんな風なんだ」
 「100パーセント信用するから神様が御褒美をくれるんでしょ?」
 「そうだ。君は神様がくれた御褒美なんだから私を裏切ってはいかんよ。私を裏切れば神様を裏切ることになる」
 「それは私の言いたいことです。先生も私を裏切ったり悲しませたりしないでね」
 「喜ばせはしても悲しませることなんてしない」
 「有難う。いつも私を喜ばせて頂戴ね」
 「だから帰ったら空気浣腸をすると言っているんだ」
 「馬鹿。もうそればっかり」
 「それをすれば私が喜ぶ。私が喜べば君も嬉しい」
 「え?」
 「そうだろ?」
 「まあそうだけど」
 「それでいい。さて、勘定して帰ろうか」

 店は閉店間際だから居残っていた客は全員ゾロゾロ出ていく。ライトも薄暗い照明が一段明るいものに変わり、音楽もロマンティックなスロー・テンポの曲が急に明るく賑やかなものに切り替わった。そうでもしないと客の気分が変わらないでなかなか帰ろうとしないからだろう。店は一種の喧騒状態だったが、その時ブッと小さい音がした。耀子が立ち上がった途端に貯まっていたオナラが出てしまったのである。店の中は騒がしかったが二人にははっきりと聞こえた。紀夫は目を丸くして耀子を見たが、耀子は赤い顔をして紀夫に抱きついた。

 「帰ったら空気浣腸して頂戴ね」
 「空気浣腸しなくてもオナラしてるじゃないか」
 「先生が空気浣腸、空気浣腸って言うから空気が入って来たのよ」
 「そんな馬鹿な」
 「愛してるわ」
 「臭い芝居だな」
 「臭いかもしれないけど、愛してるのは芝居じゃないわ」
 「そうかい。実は匂いは分からなかった。この間の凄いオナラで私の鼻は曲がってしまったからだ」
 「それじゃもう遠慮なく出しちゃおう」

 耀子は今度は前より大きなオナラをした。キムチを食べれば匂いはなくなるという紀夫の説明だったが、それはキムチと同じ匂いがした。


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