亜美-27
「妬ける?」
「え? ああ、彼女は会社の先輩で別に僕の恋人ではありません」
「そう?」
「はい」
「でも素敵な女性じゃないの」
「そうですね」
「好きなんでしょ?」
「さあ、同僚として好意は持ってますけど、特に個人的な感情は持ってません。持ってないと思います」
「本当?」
「ええ」
「もう1回出来る?」
「もう勘弁して下さい。あそこが痛くて」
「そう。それじゃもう少しこのままにさせてね」
「どうぞ」
「私いろんな人とセックスしたことあるんだけど、上になってセックスしたのは初めてなの」
「そうですか」
「だからなのかな。感じちゃった」
「はあ」
「貴方も感じた?」
「ええ、頭の中が白くなる程感じました」
「可愛いのね」
「可愛い?」
「もう1度会える?」
「は?」
「又やりましょうよ」
「今ですか?」
「ううん。今度」
「さあ、それは会社の都合で決まることですから」
「いえ、今度は取材じゃなくて」
「え? そんなことしたらあの人に怒られるでしょう?」
「あの人は大丈夫」
「でも」
「何?」
「あの人は貴方の恋人なんでしょう?」
「恋人? そうねえ、そういうことになるのかしら」
「あの人の話ではそういうことでしたけど」
「そう? いずれにしてもそれは構わないのよ。貴方と会うのに支障にはならないことなの」
「はあ」
「連絡するから又会ってね」
「はあ。まあ、それはその時に」
「そうね」
そう言って亜美は誠司の口に再び激しくキスをし、誠司の性器が萎んで抜けるまで誠司の舌を吸い続けていた。亜美と2人で礼子達の脇を通ってバスルームに行った。チラと見ると礼子の目もこちらを見ていたが虚ろで焦点が合っているのかどうか分からなかった。余りジロジロ見るのは失礼なような気がしてさっさと通り抜けた。2人で体を洗い合った。
亜美の背中は痛々しく腫れていたので石鹸を使わないでシャワーの温度を下げ、手のひらでそっと洗ってやった。亜美の顔は生気に満ちて輝き、何処から見ても本当に美人である。こんな人は写真でも見たことがないなという思いで、顔ばかり見ていたら「何か付いてる?」と聞かれてしまった。しゃがんで股間の入れ墨の部分を良く見せて貰った。それから石鹸を良く泡立てて入れ墨の所からピアスの所まで洗ってやった。ピアスに付けたゴールド・チェーンはセックスの時ちょっと痛かったが、むしろ妙な違和感が珍しくて興奮を誘っていたように思う。手のひらにチェーンを乗せると結構重かった。
「これはいつもしているのですか?」
「そうよ。他のに取り替えることはあるけれども何もしない時は無いの」
「此処が重みで伸びてきたりしないんでしょうか?」
「伸びるでしょうね」
「構わないんですか?」
「貴方はそういうの嫌い?」
「え? あー、見たこと無いし、考えたこと無いから分かりません」
「これを付けて歩いていると揺れるからいつも意識が此処に行って、厭らしい女になってしまうのよ」
「下着は穿かないんですか?」
「下着を穿いたら面白くないでしょう?」
「なるほど」
「今度会ったら別のを見せて上げるわ」
「え?」
亜美は既に又会うものと決めてかかっている。2人がバス・ルームを出ると礼子達も既に終わっていて入れ違いにバス・ルームに入って行った。亜美と出てきた誠司とすれ違う瞬間、礼子はそっぽを向いていたのに誠司のオチンチンを片手で正確に捉えてギュッと握った。どういう意味でやったことか分からないが、亜美も男も気が付かない程素早い一瞬の出来事だった。