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亜美
【SM 官能小説】

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亜美-26

 誠司は東京駅で宜しくお願いしますと言われた他は、この女性の声を初めて聞いたのであった。いや、呻き声とかすすり泣きは聞いていたのだが、会話を交わしたのはこれが初めてで、この女は口を利かないものと勝手に決めつけてしまっていた。この美しい女性がどんな声でどんな喋り方をするのか誠司の頭の中で想像することが出来なかったのである。誠司の性器は確かに制御出来ない程そそり立っていたのだが、激しいプレイを目の当たりしたので飲まれてしまったというか、主導権を取ることが出来なかった。
 亜美は誠司の上になると直ぐに手で導いて誠司の性器を体の中に入れた。そして誠司の口にキスをし、舌で誠司の唇をこじ開けるようにして誠司の舌をからめ取った。誠司はもう抵抗する気を失い、なされるがままに舌を吸われた。亜美の腰は厭らしく蠢いて誠司は直ぐにも行きそうになってしまう。しかし何とかこらえていた。亜美はゆっくりと動かしていた腰を次第に早く激しく動かし始めた。誠司も知らない内に体が反り返り、亜美の尻を掴む手に力が入った。尻はムチで打たれて赤く腫れ上がっていて痛そうなのだが、そんなことはすっかり忘れていた。しかし亜美にはそれが却って心地よい刺激となったようで、誠司の舌を吸ったままウッと呻いて腰を痙攣させた。誠司の腰を抱き寄せる亜美の指に力が入り、震える腰を1つに溶けてしまえとばかりに強く誠司の腰に押しつけた。そのままぶるぶると体全体が細かく痙攣したのは、エクスタシーに達したのだろう。誠司も何が何だか分からないまま射精していた。頭の中が真っ白になり、こんなに感じたセックスは初めてだった。気が付くと自分の指が亜美の尻にめり込んでいた。亜美が強く抱きしめていたのと同じく誠司も亜美の腰を強く抱きしめていたのである。はっとして亜美の尻から手を放した。

 「あっ、ご免なさい。忘れてました」
 「うーん」
 「痛かったでしょう」
 「気持ち良かった」
 「そうですか?」
 「もう1度キスして」

 亜美はそう言って自分からまた誠司の口に吸い付いた。誠司は今度はそっと亜美の背中に手を廻した。亜美の体越しに礼子の方を見るとあちらも2人で何やらやっている最中だった。男はインポなのだから終わりが無い訳で、いつまでやるのだろうと思ったが、角度の関係で何をやっているのかはっきりとは見えない。すると亜美が誠司の様子に気が付いて片手で誠司の眼を塞いだ。片手で誠司の目を塞ぎ、もう一方の手は誠司の肩口というか喉の辺りを掴んでいる。性器はまだ繋がったままだし、口は相変わらず誠司の舌を吸っている。誠司は1度放出したので余裕が出来て落ち着いたが、亜美が目を塞いだので観察することは出来ない。ただ目を瞑ってされるがままにしていた。何処を触っても痛いのではないだろうかと思い、亜美の両脇腹をそっと押さえるように抱いていると自分の性器に再び力が蘇ってくるのを自覚した。亜美もそれを感じ取ったようで、腰を再び動かし始めた。もはや両手で誠司の首を絞めるようにしてセックスしている。ちょっと苦しいと思ったがまさか本気で絞めたりする筈が無いからやりたいようにさせていた。亜美は誠司の舌を吸ったまま顔をひねるように振り動かした。喉にかけた手にも次第に力が込められて誠司は本当に苦しくなってきた。早く行ってくれないかなと願いながら亜美のしたいようにさせていたら、亜美は誠司の舌を吸ったまま呻き声を漏らし始めた。そして腰をぶつけるように激しく動かしだした。誠司も感じてきて思わず体が反った。2度目の射精は辛かった。前立腺がドクンドクンと脈打つのが自分でも分かり、鋭い痛みを感じた。けれども強い快感も伴っていた。誠司の射精に一瞬遅れて亜美もエクスタシーに達したようで、キスしていた口を離し、アワワワと声を出しながら仰け反って体を痙攣させた。
 既に出し終わっていた誠司は目を開けて亜美の顔を見つめた。宙空に顎を反り上げて目を瞑っている女の顔は美しかった。女の顔というのは上から覗きこむ角度で見ると大体誰でも美人に見えるもので、逆に下から見上げて美人に見えるというのは少ない。そんなのは余程の美人なのである。亜美の顎の先端には汗が滴になって溜まっていた。何かに祈っている聖女のように見え、あの汗が落ちてきたら口で受け止めたいと思った。綺麗な人だなあと心底思いながら見ていたら突然亜美が目を開けたので眼が合った。思わず笑うと亜美も童女のように微笑んだ。それから亜美の顔が近づいてきてぐったりと誠司に体重を預けた。顔をずらして礼子達の方を見ると礼子が低くすすり泣いているのが見えた。礼子の股間は男の姿に隠れて見えないが、姿勢や手つきから見てバイブレーターを使っているらしいと分かった。大きい声ではないが、礼子の甘えたような泣き声も聞こえる。あの礼子があんな声を出すんだなと意外に思った。



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