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愛のレイプ・セラピー
【レイプ 官能小説】

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愛のレイプ・セラピー-1

1.
 亜矢子が、自殺を図った。発見が早かったので一命は取り留めたが、精神状態が不安定なので、しばらくはリハビリが必要とのことだった。

 東京の北西郊外の地域福祉協議会でボランティアをしている健二に知らせが届いたのは、残暑が未だ残り、街路樹の緑が黄色味を帯びてきた初秋である。。
 この地域は緑が多く、しゃれたレストランやブティックがあるので、最近は住みたい街として人気が高い。

 亜矢子は同じグループのボランティアで、うつ病に掛かってしばらく活動を止めていた。
 自殺未遂の知らせは、健二には意外に聞こえた。
 
 亜矢子とは活動前から10年以上も夫婦ぐるみの付き合いで、どちらかといえば活発で男っぽいガラッパチ、うつ病とは関係の無い人間だと思っていたからだ。
 何れうつ病を克服して、元気な顔を見せるだろうと思っていた。
 
 会合にも出てこないので、たまには会いたいとメールを送った。
 直ぐに返信が来て、今のところ誰とも会いたくないが、好きな健二さんには嫌われたくないので次の会には出て行きますとのことだった。

 “好きな健二さん”という言葉に、健二の心が疼いた。
 お互い既婚者同士にも関わらず、亜矢子に少なからず心が動いていた健二に取って、亜矢子のこのさりげない言葉は、亜矢子の本心を垣間見た思いがした。

 亜矢子はナップザックを担いで世界旅行をしていて、旅先で意気投合したフィルと言うイギリス人と結婚をしていた。
 仲の良い夫婦だと思っていたが、5年ほど前に離婚をした。フィルが新興宗教に凝って、金を全部つぎ込んでしまうとそのとき亜矢子は健二にこぼしていた。
 
 1年ほどして、数馬と言う男と結婚したが、2年も経たずに又離婚をした。
 フィルも数馬も似たような男で、亜矢子の姉さん肌に較べるとひ弱で頼りなげであった。亜矢子がそのひ弱さに母性愛をくすぐられて一緒になって見たものの、生活をしてみると中々噛み合わない様だ。

 根が気丈な女だったので、時間がたてば立ち直ると楽観をしていた。


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