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樹理
【その他 官能小説】

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樹理-6

 「10グラムのネックレスを10人に贈ればその内何人とやれると思う。5人はやれるだろう。だから少なくとも5回やるまでは別れられない」
 「どういう計算なの。まあお金に換算しないだけいい方か」
 「そうさ。今どきはホテルに行ってもいいから同伴してくれっていうホステスだっているんだぞ」
 「誰?」
 「いや、別の店」
 「そんなのがいるの?」
 「ああ、いるいる」
 「よっぽどノルマが厳しいのね。そんな店なら辞めればいいのに」
 「ナニ、貴方とやりたいのとは言えなくてそんな言い方してるんじゃないかと思うよ」
 「あーあ、厭な奴に惚れちゃったわ」
 「こう見えても結構もてるんだよ」
 「知ってるわよ」
 「どうしてかな。ビキニのブリーフで押さえつけてるつもりなんだけどやっぱり大きいのが分かるのかな」
 「馬鹿。そんな所膨らましてたら持てる訳無いでしょ」
 「それじゃ口コミで上手いのが伝わっているとか」
 「ちっとも上手く無いわ」
 「おい、酷いじゃないかそれは。女に向かってブスと言うようなもんだぜ」
 「貴方は優しいから持てるのよ」
 「優しいなんて言われてもちっとも嬉しくない。危険な野獣の香りがするって言われたい」
 「そういうタイプじゃないわ」
 「そうか? 今度サングラスでも掛けようかな」
 「そうね。垂れ目を隠せば少しはハンサムになるかもね」
 「畜生、言いたいことばかり言うな」
 「あっ、何これ?」
 「何とは?」
 「何か出した?」
 「ああ、おしっこのこと?」
 「おしっこ? おしっこしたの?」
 「侮辱されると洩らす癖があるらしい」
 「嘘。信じられない。人の膣の中におしっこするなんて」
 「いいだろ別に。染み込む訳じゃない」
 「どういう神経してんの。ベッドがビショビショじゃないのよ」
 「ホテルのベッドだろ。気にするな」
 「もうこのホテル使えないじゃないの」
 「ほう。樹理は此処のお得意さんか?」
 「違うわ。ホテルなんか来たの初めて。これは本当よ、処女っていうのは嘘だけど」
 「当たり前だ。処女だなんて誰が信じるか」
 「まあいいわ」
 「悪いと言っても出たものは引っ込める訳に行かない」
 「汚いことが好きってこういうことだったの?」
 「まあ他にもいろいろ」
 「あーあ、本当にとんでもない人好きになったもんだわ」
 「今更遅い」
 「遅いって言えば今日はどうするの?」
 「どうするとは?」
 「このまま泊まっていくの? 此処に。明日は仕事休みでしょ」
 「そうだけど、此処に? こんなビショビショのベッドにか?」
 「誰がおしっこしたのよ」
 「はい、私です」
 「馬鹿」
 「樹理はどうしたいんだ?」
 「私は帰りたい。うちの方が落ち着くもの」
 「それじゃ帰ろう」
 「寄って行きなさい」
 「何で?」
 「送っていくのが礼儀」
 「送れば面倒になって帰りたくなくなる」
 「いいわよ。だからうちに泊まっていきなさいよ」
 「1日泊まるとずっと泊まりたくなる」
 「いいわよ。好きなだけいなさい。死ぬまでずっといてもいい」
 「そうはいかない。服も下着も1着しか無いんでは困るからな」
 「そんな物買って上げるわ」
 「ほう。話が逆だな」
 「何が」


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