樹理-13
「どんな問題?」
「例えば樹理のおならが臭くて耐えられないとか」
「私はおならなんかしないわ」
「樹理のイビキがうるさくて寝られないとか」
「イビキがうるさいのは貴方じゃないの」
「イビキかいてた?」
「盛大にね」
「まあ、いろいろ想像も付かないような諸問題が続出する訳だ」
「どんな?」
「だから想像付かないんだから分からない」
「何事もやってみれば解決出来るものよ」
「楽観的だなあ。苦労しないで育ってんだな」
「何言ってるの。私の人生なんか苦労の連続よ」
「そう?」
「肉は何がいい? ビーフ、ポーク、チキンとあるけど」
「ビーフがいいな」
「ポークが好きだったんじゃないの?」
「肉だけ食べるんならポークが好きだけどカレーの肉なんてダシみたいなもんだろ」
「それじゃビーフにしよう」
「樹理の好みは?」
「私は何でもいい」
「食べ物の好みは無いのか?」
「あるわよ」
「だったら樹理の好みでいいよ。僕は食べ物にはうるさくないから」
「いいの。貴方の好みに合わせるのが私の好みなの」
「それじゃ僕の好みの浣腸プレイも好きだっていうことだな」
「食べる物買い物してる時にそんなこと言わないの。人に聞かれたらどうするの」
「へい」
「野菜重く無い?」
「うーん、ちょっと重くなって来たな」
「それじゃ肉買ったら帰ろう」
「うん」
「タクシーで帰る?」
「いいよ。タクシー使う程じゃない」
「こうやって2人で買い物するって楽しいわね」
「みんな樹理のおっぱい見ているな」
「当たり前よ。昼間こんな服着てる人はいないもの」
「もう少しサービスして出してやるか」
「馬鹿。サービスのし過ぎよ」
「おっぱいさんが風邪惹くか?」
「さっきお肉屋さんが上から胸の中を覗き込んでいたわ」
「それなら安くしてくれただろ」
「別に」
「量を増やしてくれたとか」
「そんなサービスしてくれんならおっぱいぐらいいくらでも見せちゃうわ」
「見るだけ見て何もサービスは無しか」
「そう。だから見せるだけ損」
「損ったって別に減るもんじゃないだろ」
「これは何?」
「いろいろ買い物しただろ。だから少し出すよ」
「少しって5万円じゃないの」
「うん又来ることもあるから」
「又来ることもあるじゃなくてずっといればいいのよ」
「そうも行かない」
「どうしてよ。帰っても独り暮らしじゃないの」
「新聞が溜まってると中で死んでるって周りが騒ぎ出す」
「そんなの電話して断ればいいじゃないの」
「新聞屋の電話番号なんて知らない」
「あら、そんなの新聞社に電話すればいいのよ」
「へ? まさか。新聞社が配達する訳じゃないんだぜ」
「それくらい知ってるわ。でも配達する新聞屋はテリトリーが決まってるから住所を言えば何処の新聞屋か、新聞社で教えてくれるのよ」
「ほーう。なるほど」
「私が電話して上げるわ」
「いや、それ位自分でするよ」
「で、帰る理由は無くなったでしょ」
「帰らないと猫が死んじゃう」
「猫なんて飼ってない癖に」