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樹理
【その他 官能小説】

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樹理-12

 「つまりSM的愛撫を総称してバイブって言ったんだろ」
 「総称して無い」
 「なんだよー、そのつもりで喜んだのに」
 「自分だけそのつもりになっても駄目。それが人間関係で陥りやすい過ちなのよ」
 「人の真似するな」
 「でもゴムのパンティは重宝しそうね」
 「そうさ。不細工な紙オムツなんて厭だろう? まあ、オムツはオムツの良さがあるけどな」
 「オムツの良さって?」
 「服を脱いだらいい年してオムツしてたなんていうのもなかなかいい眺めなんじゃないかと思って」
 「厭だ」
 「しかし軽失禁というのは病気だからな。ちゃんとそれなりの対策を施して明るい社会生活を送らないといけない」
 「別に対策なんか無くても明るい社会生活送ってるわ」
 「対策が有ればより明るい社会生活になる」
 「貴方がいれば私の生活は明るいのよ」
 「そうだろ。明るく楽しい浣腸プレイをして楽しもう」
 「何が明るく楽しい浣腸プレイよ。私が貴方にしてあげるわ」
 「それはいかん」
 「どうしてよ」
 「男が汚いウンコ垂れても絵にならない。樹理みたいな美人が眉くもらせてウンコ垂れるから美しい」
 「ウンコ垂れるのが美しい筈が無いでしょ」
 「そんなことは無い。樹理ならウンコも美しい。おしっこも美しい」
 「ちょっと此処に入ろう」
 「何買うの?」
 「食料品」
 「外食の方が簡単じゃないか」
 「私が作りたいの」
 「何作るんだ」
 「何食べたい?」
 「何でもいい」
 「フランス料理作ろうかな」
 「フランス料理?」
 「平目のムニエル」
 「そういうのは苦手だ。普通に焼いてレモンと醤油で食べる方がいい」
 「そう?」
 「それよりカレーが食べたい」
 「鰈?」
 「魚の鰈じゃない。カレーライス」
 「カレーライス? 子供みたいね」
 「うん。偶に食べたくなる」
 「それじゃカレーにする」
 「作れるか?」
 「カレーくらい作れるわ」
 「作ったことある?」
 「あるわよ」
 「ちゃんと食べれた?」
 「馬鹿にするんじゃないの。レストランのカレーよりよっぽど美味しいカレー作って上げるから」
 「ほうほう。それは楽しみだ」
 「何か楽しいわね」
 「何が?」
 「2人で買い物して、帰って料理作るなんて楽しいじゃない」
 「帰って料理作るのは僕じゃない」
 「そうよ、私が作るの。誰か食べてくれる人がいると作りたいのよね」
 「1人だと作る気にならないか」
 「わびしくてね」
 「そうか。それなら毎日食べに行ってやろうか?」
 「それよりずっと一緒に暮らせばいいんじゃない」
 「あー、まあ、それも一案だな」
 「それが名案よ」
 「やってみると案に相違したりして」
 「やってみなければ分からないじゃない」
 「そう。だから危険があることには足を踏み入れずに避けた方がいい」
 「何の危険?」
 「期待に胸を弾ませて2人の新生活を始めるだろ。するといろいろ案に相違して問題が続出してくる訳だ」


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