樹理-11
「あら、いいわねえ。凄く似合ってるわ」
「そう？ 有り難う」
「いいのよ。私もお洒落しないと釣り合わないわね」
「そうか？ そんなにいいか？」
「うん、男前が上がった」
「困ったな。これ以上持てると困る」
「大丈夫よ。もう私が唾付けたから」
「そんなの人には分からない」
「分かるわ、ほら」
「あっ、これじゃキスマークが見えちゃう」
「いいの。堂々と見せて歩きなさい」
「参ったなー」
「ちゃんと考えてるんだから」
「そこまで考えてキスマーク付けたのか？」
「そうよ。仕事の時は見えないでポロシャツなら見えるような場所選んで付けたんだから。舌が痺れたけど、まだまだって我慢して一生懸命吸ったのよ」
「うーん、参ったなあ」
「いいの。そんな所自分で付ける訳に行かないんだから持てる証拠でしょ。私が一緒に歩けば私が付けたに決まってるんだから、貴方が恥ずかしがる必要はないの」
「もう持てないよ、これじゃ」
「そう。それが狙いだから」
「何だか恐ろしい女と関わりを持ってしまったような気がしてきた」
「あら、恐ろしく無いわよ。私を愛してる限りこんなに優しい女はいないんだから」
「樹理を愛さなくなったらどうなるの？」
「その時は多少恐ろしい思いをするかもね」
「どんな？」
「縛ってお尻にバイブを突っ込むとか」
「それは逆だろ」
「そう。愛してれば私にそういうことが出来る。愛していないと私にそういうことをされてしまうという訳」
「愛してれば樹理にそういうことが出来るのか？」
「やりたいんでしょ？」
「やりたい、やりたい。死ぬほどやりたい」
「それじゃ死ぬほど私のこと愛してね」
「うんもう、死ぬほど愛してる」
「それじゃお待たせ。行こうか」
「その服？」
「気に入らない？」
「胸の出る奴がいいな」
「仕事じゃ無いのにそういうの着て欲しいの？」
「うん。いつもそういうの着て欲しい」
「それじゃこれはどう？」
「いいけど、もっと露出する奴は無いのか？ おっぱいの上半分がモロに出るような奴」
「そんなのいくらでもあるけど、昼間からそういうの着ろって言うの？」
「着ろって言うの」
「困ったもんね。それじゃこれは？」
「うん。それでいい」
２人は下着専門店に行って胸繰りの大きいベビードールのようなネグリジェを買った。薄いピンクで共生地のパンティまで付いていたが、両方とも透けているから体を隠す役には立たないだろう。前開きではないが、胸繰りが大きいから少し押し下げれば胸が出てしまう。その後紳士用品店に行き、下着などを買った。これは樹理が払おうとしたのを押しとどめて雅也が払った。その後雅也の案内でサンシャイン通りの裏手にある怪しげな店に行き、ゴムのパンティをいくつか買った。
「それは私に穿かせるの？ それとも自分で穿くの？」
「樹理に穿かせるんだ」
「何で？ Ｔバックじゃないじゃない」
「うん。Ｔバックの上にこれを穿け」
「どうして？」
「軽失禁者用パンティだ」
「あっ、なーるほど。私は又おむつみたいなパッドの付いてるのを買うのかと思ってた」
「そんなの色気が無いだろ。これなら色気もあるし、少々おしっこしても漏れない」
「蒸れないかしら」
「それは漏れないさ、ゴムだもの」
「違う。蒸れないかって言ったの」
「ああ、蒸れて臭くなるだろうな。それがいい」
「又始まった」
「我々趣味人は浣腸してこれを穿かせる。そして中に排泄して頂く訳だ」
「我々って誰？」
「私と貴方」
「私はそういう趣味無いの。残念でした」
「それは無いだろ。愛してればそういうことが出来るって言ったじゃないか」
「バイブは言ったけど浣腸なんて言って無い」