投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

恋のMEMORYの最初へ 恋のMEMORY 537 恋のMEMORY 539 恋のMEMORYの最後へ

風馬の決意-3

「良いじゃんやってやろうじゃないか、僕はいつでもオーケーだよーん♪」

私が皆に淹れたお茶もすっかり氷が解け始め、皆でお母さんが仙台へ行っても私が彼を待つ充分な環境作りを提案してくれる。

「だよーん♪じゃないわよ蓮…、そんな猫を飼うのと一緒にしないで、相手は人間よ?そんな簡単に赤の他人の家の子になんて慣れないよ。」

一条君は自分の家に私を居候したら良いと提案してくれた。確かに佐伯君での実績はある、事実昔に何度か彼を家に泊めた事もある。一条君と言う恋人でもない異性の友人の家に泊まり続けるというのも何だか複雑、そりゃー今更この期に及んで妙な人間関係が生まれるだ何て事もないだろうし、きっとおばさんの部屋を寝室にするとかそんな所でしょうけれど、…気持ちは嬉しい、でもやっぱり違うかな。

「んもぅ!だったら巴ん家に居候したらどうなのさ!」
「いや、だから…。」

確かに、一条君がどうこうじゃないが、巴ちゃんの家ならば普通に筋が通る、女の子同士で彼女の部屋でリラックスして過ごせるし、一緒に風呂に入ったり、登下校も一緒で彼女とはお互い固い信頼関係で結ばれてる訳だし、まるで本当の姉妹みたいでそれはそれで楽しそうだが。

「って若葉も何顔赤くなってんのよ!」
「つい…。」
「…で、どう?」
「無理よ、うちペット禁止だし……って何言わすのよ!」

やっぱり二人は本当に元の仲に戻ったんだね。

「何も言ってないよー、けどそれなら。」
「だーかーらぁ無理だっつーの!親が何て言うか…。」
「じゃ、じゃーあぁーあたるのとこに」
「いい加減になさいよー!だから猫を飼うのとは違うっつってんだろ!アホバカ蓮!あーあぁーやっぱ隼人の所に戻ろっかなぁー。」
「っ!すいませんスイマセン!きちんと考えますのでお許し下さいませっ!」
「分かればよろしい!」
「……。」

二人のお陰で少し気分が明るくなった。

「風馬はどう思う?」
「…一条君が悪い、ちゃんと彼女に謝った方が良いよ。」
「いやいやいやいやっ!そっちじゃなくて!」
「……僕は。」

悩みどころだな。きっと巴ちゃん家らに相談してもきっと難しいだろうなぁー。ならば一層風馬君の家はどうだろうか?別にさっきの話みたいにただ居候するでなく未来のお嫁さんとして…。

……

いやん❤

自分で思ってて恥ずかしくなってきた。

けど、それも駄目か、彼は私を迎えに行くって言ったんだ、それなのに…。

なら私このままホームレス?

……

不覚にも想像しちゃった……。

アパート借りるにも母曰くそんな簡単な話じゃない。その仙台だって来月9月を目途に検討しているみたいだし…。

もう少し長く、せめて私が高校卒業するまでの話なら必死にバイトでも何でもしてアパートを借りるお金を稼げたのに…。

そもそも私はさっきから自分の事ばっかり考えて。母が仙台に行きたければ勝手にすれば良い、みたいな考えだし…。きっと…ううんお母さんは私にも一緒に来て欲しいのよ、一人で見知らぬとても離れた所に嫁いで、まだまだ子供と一緒に居たいって思ってるし、そもそも心配するだろう、一人で仙台に嫁いで今頃どうしてるのかなぁーって。

そんな悲しい顔した母の顔が頭に浮かんだ。

「お母さん…。」
「……。」

思い詰め、寂しい顔する私の横顔を目にする風馬君。


恋のMEMORYの最初へ 恋のMEMORY 537 恋のMEMORY 539 恋のMEMORYの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前