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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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終演、……そして最後の試練-1

「気持ち良い風だねー!」
「ほんと。」

私と彼はゆっくりとした足取りでいつもの下校道を歩いていた。

「にしても良かった、一条君と伊吹さん、仲直りして。」
「うん!あれから教室でもいつもの調子に戻ったみたいで。」

今朝、その二人が普段以上に明るく教室に来た時は少し驚いたけれど。

「ふふ、風馬君のお陰だね。」
「僕は別に…。」
「色々と相談に乗ってあげたじゃない。」

あのバイト先で。

「当然だよ、友達…ううん親友なんだから、逆に僕が彼に世話になった事だって多くある訳だし、お互いに支え合っただけさ。」
「♪」

本当に良かった、これで巴ちゃんたちの問題は解決出来た、けど。

「僕たち、この先どうなるんだろう。」
「え。」
「将来の事だよ、僕は大学に行って本格的に絵を学びたいとと思ってる、そしてデザイン関係の企業に就きたいと考えてる、君は?」
「私は……、家の手伝いかな。」
「あぁー、おばさん一人で切り盛りして大変だもんねー。」
「うん、それでいて就職活動をしつつアパートを借りようと思う、いつまでもあの家に甘えてばかりじゃダメだもん。」

不意に天国のお爺ちゃんの顔が脳裏に浮かぶ。

「やっぱ君は立派だよ、ちゃんと考えていて。」
「そんな事は、風馬君だって。」
「…僕、迎えに行くから。」
「えっ?」
「仕事に就いて、ある程度稼げるようになったら、その時は…若葉ちゃん、君を迎えに行くから。」
「っ!!」
「そりゃー最初はお互いに大変かもしれないけど、でも!一緒に乗り越えて行こう!」
「風馬君…。」
「きっとおばさんだって分かってくれる、そしたら!5年10年後には僕らの間に出来た子供が生まれたりして!」

そう語る彼の顔はとても幸せそうだ。

「ふふ♪頼もしい夫、父親ですね。」
「あはは♪」

そんな話をするとまた胸が躍りそうだ。





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