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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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終演、……そして最後の試練-4

「じゃー荷物は全てまとまったんだな。」
「うん、態々ありがとね、最後の最後まで。」
「いや、当然だ、アンタが俺にしてくれた事を考えれば。」
「佐伯君…。」

静まり返った夕暮れ、厄が取れたかのように清々しく、そして穏やかなトーンで会話を続ける。

自宅へ向けて肩を並べ公園を歩きつつ、俺はそんな彼女の横顔に目をやる。

…恋なんてもうしないって決めた、何度も何度も付き合っては振り交際しては破局の繰り返しで。

それからの俺は天涯孤独、そりゃ蓮たちも居るけれども、どこか孤立していて。

けれどもそんな時、この彼女水原さんは俺の前に現れそして色んな手助けをしてくれた、お陰で暗闇に一筋の光が射したように人生に希望が見えてきた。

…なのにいざ告白しようとした矢先、彼女は遠くへ行ってしまう。

「どうしたの、さっきからじろじろ見て?」
「えっ!……い、いや別に!」
「っ?」

ボーとしてしまい、つい。

「本当ありがとね。」
「えっ?何言ってんだお礼を言いたいのはこっちだよ。」
「ううん!貴方のお陰で私は助かった、それに私に恋を教えてくれて。」
「水原、さん…。」
「私、向こうへ行っても貴方の事、忘れないから!」
「っ!!」

声を張り上げて告白のように発した言葉。

「じゃ、お父さん達待ってると思うから、私はこれで。」

早々に背を向ける彼女。

「っ!」
「……。」

俺はそんな彼女の腕を掴み、キスをした。

「佐伯、君…。」
「ありがと………恵子。」
「っ!!」

こうして俺は彼女を見送り、この恋は終わった。

俺はこの先再び恋をするのだろうか。

それかこれを最後に生涯独身で居るのか。

…人生と言うのは分からない事ばかりだからな。

柊、さん…俺は、俺は……。



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