死神と一緒〜転校・喧嘩編〜-6
「この空き缶の始末は僕がすることになるんだ」
そんな零の怒りに対し二人は
「ごめん」
「すまない」
としか言えない。
零が二人に説教をしていると璃逢がやっと起きた。
「あれ、璃逢おはよー」
と、疾風が言ったが今は朝ではない。璃逢は聞こえていないのか
「あれ?そうひ〜?」
などと言っている
「璃逢、もしかして酔ってる?」
と疾風が心配しているが蒼氷はまったく違った……
「さあ、もう遅いから帰ろう。送っていくからさ」
普段から紳士的な蒼氷だが璃逢に対してはさらに優しい。
「ヤダ。ここでねる」
璃逢はやはり酔っていた。その証拠に敬語を使っていないのだ。
「けどここで寝たら風邪引いちゃうよ?」
蒼氷も璃逢を心配している「ぜろにあたためてもらうからしんぱいないよ〜」
いきなりふざけた事を言いだす璃逢。死神って酒に弱いのか?
「な、何言ってるんだよ」すると璃逢が飛び付いてきた。死神に憑かれるとはこのことだ
「ぜ〜ろ〜」
「離せ!首に腕を回すな」零は目の前に仁王立ちしている蒼氷には気が付かなかった。
「零……お前はそういう奴だったんだな」
異様に低い声に驚き目の前にいる蒼氷に気付いた零。「僕が悪いのか?」
必死に身を守ろうとするが璃逢が乗っているために身を守ることが出来ない
「くたばれ」
蒼氷の言葉と同時に意識が途絶えた。
「………ん」
やっと意識が戻った零は辺りを見回した。部屋の中には三人が爆睡している
「こいつらはまだ飲んでいたのか?」
どうやら追加で酒を買ってきたらしく缶の数が増えている。
静かに部屋を出るとシーツを持ってきた零。そしてそれを三人に掛け、空き缶を片付ける。
まったく、世話が焼ける奴らだ。こいつら一緒にいれば一生退屈な日はないだろう。
そういえば明日は学校が休みだな……。僕もそろそろ寝るか
休みが明けた後に学校生活はどうなるか分からないが心配はないだろう。