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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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蓮と巴と黒崎-4

鳴り響く着信音。

分かってる、相手は蓮だ決して隼人じゃない、だから出ても問題は…ない。

「……。」

けど蓮だからって何なの?彼だってこの問題の渦中の一人だ。もしかしたら隼人と同じように…。

…そう考えると出るのが急に嫌になってきた。私は隼人を傷つけた、そして蓮の事も。まるで二人して私を責めにきたようにさえ思える。

私の不安な想いとは裏腹にひたすら鳴り続ける着信音。

もうやめて、一人にさせて、分かってる…分かってるよ、こんなんじゃいけないって、けど…けど私は、私は!

追い詰められ迷った挙句留守番モードにした。

…それによりピタッと鳴り止んだ着信音。

ごめん、ごめんね蓮。

私は本当に駄目な人間よ。

気持ちが揺らいだからって別の人に目移りして、結果二人を傷つけて。

こんな私何て、もう…。

「君が追い詰められる事何て一つもないよ。」
「っ!」

留守番メッセージから聞こえる蓮の声。

「れ……ん?」

その音声にはまだ続きがあるそうで。

「悪いのは全部僕何だ、君を浮気のような真似事をさせたのだって…。」
「……。」

電話越しに一方的に話しかけるいつもとは違って真っ直ぐな口調。

「僕、思ったんだ待っていればどうにかなる、君の方から話しかけて、それでどうにかなるんじゃないかって……けどそれは愚かだった。自分の方から、僕の方から前に進まないと行けないんだ!」
「蓮…。」
「…今度の休みの日、僕と水族館に行かないか?そこでどうにかなるかどうか分からないけれど、でも!何もしないよりはずっといい!」

電話の向こうの人が本当に蓮なのか疑わしくなるくらい本当に素直で。

「……来る来ないは君が決めてくれて構わない、けど僕は待ってるから、じゃーね。」

そう言い終えると留守番メッセージは消えた。

蓮…。

私の事を……。

何もしないよりはずっといい…かぁ。



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