貧困娼年と電脳娼年&碧のお茶会-1
その瀟洒なカフェの名は「Electric Foundation」。
その名前とは裏腹に、シックな白壁とオーク柱の取り合わせの内装にコイノールの高級革ソファが点々と、ゆったりした間隔で配置されている。
窓の外にはMAYAのPaint Effectが緑滴る樹木をうごめかせ、この空間が0と1で構成されている事を物語っている。
その瀟洒なカフェの名は「Electric Foundation」。
その名前とは裏腹に、シックな白壁とオーク柱の取り合わせの内装にコイノールの高級革ソファが点々と、ゆったりした間隔で配置されている。
窓の外にはMAYAのPaint Effectが緑滴る樹木をうごめかせ、この空間が0と1で構成されている事を物語っている。
メイプル・バーズアイの一枚板で作られたテーブルには紅茶のポッドが置かれ、Ashbyのアールグレイがそのカフェに芳しい香りを放っていた。
そしてマイセンのティーカップが三つ。
その前にはタイプの異なる美少年が三人。
その中のひとり、天使の輪が輝く黒髪のいかにも育ちの良さそうな少年が、ポッドから三つのカップに紅茶を注ぐ。
黒いサスペンダーの付いた半丈の黒いショートパンツ、真っ白いシャツが目に眩しい。
その瞳は三人の少年の中で最も知的な色合いを持ち、左の耳にはTiffanyのダイアのピアスが光る。
瞳を彷徨わせながらそれを受け、ちじこまっているのはサイズの合わないダブダブの軍用シャツに洗ったこともないようなデニム、理髪店に行った事もないような長めの髪の毛は荒れ、大きな三白眼に鳶色の肌を持つエキゾチックな少年。
そしてソファの背もたれに輝くような美脚をかけ、逆さまに寝そべる性別判定の難しい肢体をほとんど裸に近いほどに晒した超絶の美少年。
アッシュブリーチに染め上げられ、一流の美容師の手になると思われる髪は適度に乱れ、その美しい首筋から放たれる色香は言葉に尽くしがたい。
そして、左の耳にはミャンマー産のルビーのピアス。首には銀の鋲が妖しく光る首輪。
Cyber Space に棲む三人の少年達。
育ちの良さそうな黒髪の少年の名は「碧」。
鳶色の肌の少年の名は「翠」。
そして性別不可解なアッシュブリーチの髪の少年が「キラ」。
インターネットという仮想空間に住まう、罪深い、共に11歳の少年達だ。