ジュディー-14
「先にトイレで出してきた方がいいんじゃないの?」
「そうか。それじゃ1トン出してくる」
「汚いな。何だよ、1トンって」
「キヨシの科白じゃないの」
「女の言う科白か」
「それじゃ1000キロ出してくる」
「単位を変えたって同じじゃないか」
「キヨシはもう1000キロ出したの?」
「僕は小食だから100グラムしか出ないの」
「100グラム、まるで蠅のウンチね」
「馬鹿。蠅が100グラムもウンコしたらお化けだわ」
「どうしたの? 肩が痛いの?」
「そう、痛いの」
「どうして?」
「そのデッカイ頭を此処に乗っけたまま眠ったからだよ」
「私の頭って大きい?」
「あのさ、どうでもいいけど随分出すなあ。本当に1トンくらい出してる感じだな。カーテンくらい閉めろよ」
「恥ずかしがらないでもいいよ」
「誰が恥ずかしがってる。僕はジュディーに恥ずかしがれって言ってるんだ」
「何で? 誰だって排泄はするのよ」
「それはそうだけど。それにしても臭いなあ」
「当たり前でしょ。誰のだって臭いのよ」
「僕のは臭くない」
「嘘よ。臭くて目が覚めたんだから」
「本当か? 鼻の穴がデカイから敏感なのかな」
「何がデカイって?」
「いや、こっちの話」
「さて、シャワー浴びよう」
「ケツくらい拭いて来いよ。ウンコしたんだろ」
「別に汚れて無いよ。ほら、見てごらん」
「そんな所見せんなよ。ウンコがいっぱいくっ付いてるよ」
「嘘よ。私は拭かなくても綺麗なの」
「そんな馬鹿な」
「何が馬鹿なのよ。犬だって猫だって拭かないけど綺麗でしょ」
「ジュディーは猫だったのか」
「そう。可愛いセクシーな猫」
「て言うよりどう猛なライオンかタイガーって感じだよ。1回だけだってあれ程言ったのに」
「あら、1回しかやらなかったわ。私は1回行っただけだわ」
「だからジュディーが満足しなくても僕が白いの出したら終わりだよって言ったじゃないか」
「そう? いつ白いの出したか分からなかったから」
「分かんない訳ないだろ。全く」
「サラダ用意しておいて。昨日レタスとサラダ菜2つずつ買ってきたでしょ。それにトマトを3つ4つ添えて」
「そんなに食えるかよ」
「食べるの。野菜は薬なんだから」
「あっ、薬で思い出した。ジュディー、避妊薬、避妊薬」
「そんなの昨日の内に飲んだわ」
「そうか。忘れると大変だからな」
「どうせ財産なんか無い癖に」
「どういう意味?」
「子供が出来たって困るのはこっちって話」
「ジュディーが妊娠したら僕は首だよ」
「ああそうか」
「そうさ。財産は無いけど首がかかってる」
「それじゃ妊娠してやろうかしら」
「どういう思考なんだ、それは」
「嫌がらせの思考」
「全くしょうがないな。マネージャーに厭がらせしてどうするんだよ。仲良くやっていかなければ仕事にも差し支えるじゃないか」
「そうね。仲良くしないとね」
「そうさ。お互い不満はあっても仕事の付き合いなんだから」
「それってセックスが弱いことの弁解?」
「馬鹿な。僕は普段は女がヒイヒイ言ってもう勘弁してって音を上げるほど強いんだ。だけど昨日は疲れてたからやりたくなかったんだ」
「ワオー、頼もしい」
「いや、まあ、それ程でも無いんだけど」
「いいよ、急にトーンダウンしなくても」
「さてサラダを食べて出かけよう」
「あらっ、そっちは随分少ないわね」
「そんなこと無い。ほら、大体同じ高さだろ」