紅色のイタズラ-2
「優風、フラフラして苦しいだろ?眠れば少しは…」
優風を説得するように言いながら、目覚めかけた『雄』を鎮ずませるため、優風は今普通の状態ではないと、自分にもいい聞かせる。
苦しそうにしている優風を抱くことなどできない…そんなこと、したくない
「陽太お願い…もっとぎゅって・・・して」
優風は起き上がると目線の高さを合わせ、俺の首に腕を絡めた。
「陽太…」
そう愛しそうに囁かれた瞬間、優風はふんわりと俺に唇を押し当ててきた。
「んっ…さやっ…」
名前を口にしようとする唇は吸い上げられ、優風の手は俺の後頭部を包みグッと引き寄せる。
「ん…ふ、ちゅっ…」
歯列から不器用に入り込んできた舌は、甘く俺を誘う。
抵抗はしなかった。
ただ初めての優風の行動に俺は何もできず、受け入れることしかできなかった。
「は……ふぅ…」
唇が離され透明な糸が垂れた。
「やっぱり…陽太みたいにうまくできないね…」
恥ずかしげに言いながら、俺の服に手を掛けようとしてきたので、とっさに手首を掴んで止めた。
「優風、これ以上は…よせ」
優風は俯くと何も言い返しては来ず、すっと手を引いた。
優風がこんな行動に出るのは、酒が原因だと容易にわかる。
「優風は悪酔いしすぎてる…」
先ほどよりは顔の赤みは引いているものの、初めてのアルコールは思いのほか優風を弄んでいるみたいだ。
「陽太…怒った?でもからかってるわけじゃないよ?私は本当に陽太と……したくて」
「優風……」
優風らしくないストレートな言葉に一瞬たじろいでしまう。
羞恥心の強い優風は、自分から俺を誘うようなことは言わない。
だが目の前にいるのは欲に従順な優風……
「陽太がいつも大事にしてくれるように、私だって陽太に喜んで…ほしい」
甘く切なさを訴えるような濡れた瞳。
優風が俺を求めているのがわかる。
酒に酔うと開放的になると言うが、その結果がこれなのだと思うと一種の媚薬のような気がしてならない。
ならばこれは抗えない状況なのだと、思った瞬間。
「優風…俺だって同じだ。確かめてみるか?」
気が付くと言葉と同時に優風を抱き締め、顎を上向かせていた。
伏せ目にされた瞼から覘くのは、妖艶な光を宿した優風の瞳。
押し込めていた欲情が一気に俺を支配した。
「んっ…ぅん」
少し強引に口付け、角度を変えながら唇を啄んでいると、優風が口を開いて舌を侵入させてくる。
俺はそれを絡め取りながら口内で激しく踊らせた。
「あ…っんふ…」