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蛍の想ひ人
【女性向け 官能小説】

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俺の存在自体が由布子さんを苦しめるものならば
これ以上関係を続けるのは逆に由布子さんにとって辛いのかもしれない。

今まで薄々感じていたその事実を
認めたくなくて心の奥底に隠していた事実を

俺は認めざるを得ない。

由布子さんが兄貴を忘れられないのなら。
その兄貴を思い出させる1番の遺物が俺ならば。

由布子さんの近くにいちゃいけないのかもしれない。

これ以上一緒にいたら2人ともダメになる。

その考えにゾッとした。

兄貴の死から立ち直ろうとして
2人で身を寄せ合ってみたけど
所詮は傷の舐め合いなのか。

2人には幸せに、笑いあう未来はないのか。



俺は初めて、由布子さんを諦めたほうがいいのかもしれない、と思い始めた。




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