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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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もう一人の自分-8

16歳少女、列車ホームに飛び降り自殺。

稲葉さんが死んだ、彼女はあの後刑務所から早い段階で釈放された。けれどもそれが良い事とは限らず、あの後も立ち直るような素振りもなく、その瞳は常に灰色に染まり決して輝きを見せず。

今朝の新聞で目にした時、まさかな…きっとたまたま同じ年齢の子が、そう思い込みたかったけれど、緊急全校集会でその思いを一払いされ。

動機に関してはまだ誰からも何も聞いていない、けれども分かる、彼女が自殺した原因は私にある。

私のせいだ。

私が、彼女を殺したんだ…。

この人でなし!人の気持ちを平気で踏みにじって!

嫌でも頭に浮かぶこの前の茜ちゃんが私に言った言葉。

風馬君が大事にしまっておいた水族館のチケットも何処かへ行ってしまったそうだ。クラスメートの目撃情報から、茜ちゃんと思しき人がそれっぽいものを持って慌てて立ち去ったとか。

きっと彼女の仕業と見て間違いない。私と彼がこれ以上幸せそうにするのが許せないんだ

本当に、何やってんだろう私。

何やってるんだろうねっ!!

一度ならず二度までも人を傷つけて!

一人は牢獄の中で傷ついた心を癒せぬままこの世を去る…と言う最悪の選択をし、もう一人にも同じ事をしてしまい、今でもほぼ行方不明、きっと彼女も同じ結末を…。

「…私、私…バカだよね。」
「……。」

放課後、静まり返った公園のベンチで隣で付き添ってくれる風馬君にそんな事を溢し。

「何、やってるんだろう、一度ならず二度までも、本当に最低だよね。」

永遠に続く弱音を吐き続ける私、すると、それまでずっと口を開かなかった彼が。

「本当、最低だよ君は…。」
「っ!!」

自分で言って置きながら彼の意外な言葉に驚きを隠せないでいて。

「風馬、君…。」
「何だよ、あれからずっとそうだよ!君のせいじゃないって言ってるのにいつまでもウジウジウジウジと!」
「だって!」
「そんな君何か見ていたくもないっ!」
「っ!!」

人を想い、それ故に言い放つ厳しい一言。

彼はベンチから立ち上がりそして私の腕を強引に掴み。

「ちょっ!?何、どこに行くのっ!?」
「決まってるだろ、面とう向かって自分の気持ちをハッキリ伝えるんだ!」
「えっ。」

それって…。



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