昨晩のこと (2) 妻のアナル-3
私がZなら次に考えることはゆきのアナルを責めることだし、実際そうしてるはずである。
聞いてみたい。それもゆきの口から言わせたい。
「次にどうしたの?」
「お礼だよってゆきのおまんこを口で洗ってくれたの」
それは洗ってくれたわけじゃないと思うが、単なる男の性欲を好意的な表現で語るゆき。
過去ゆきと肉体関係をもった男達はみなゆきに優しく接してきたのだろう。
そういうゆきは夫の私からみると少し危ういし、Zのような手練にはやはり「ちょろい女」と映っているのかもしれない。
「ゆきはまた四つん這いかな?」
「うん」
「口でおまんこを洗ってくれて、手はどこを洗ってくれたの?」
「え……? おっぱいとか……」
「とか?」
「お尻とか……」
「お尻のどこ?」
「……えっと……もう! 知ってるんでしょ! 言わせないで!」
「聞きたいな。お願い」
「……お尻の穴……」
「一番恥ずかしい場所を触られちゃったんだね」
「逃げたんだけど……」
「Zは逃してくれないんじゃない?」
こんな可愛い人妻のアナルを目の前に差し出されてあっさり引き下がる男はついさっきの私くらいだ。
女性のアナルを触るなど大それたことをしたら分不相応だとバカにされ笑われるのではないかとビクビクしてしまうという、自信がない男の哀しい性。傷つくのが怖いので自分から変わったプレイはしないしできない。
「……ちょっとだけ、私がZくんの触ったのと同じくらいだけ触らせてって言うから……」
「触らせてあげちゃった?」
「……うん」
「指も挿れられたのかな」
「うん、挿れられちゃった……」
さっき見たゆきの慎まやかできゅっと閉じられていたアナルは、すでにZの指によって押し拡げられ侵入を許した後だった。
「嫌じゃなかったの?」
「……おまんこいっぱい責められて気持ちよくなっちゃってたから……抵抗できなかった」
気持ちよさに喘ぎながらアナルに指を突っ込まれ刺激されていたゆき……想像すると辛くなる。
「ひょっとして舌もアナルの中に……?」
さすがに少し気まずそうにこくりとうなずくゆき。
「本当に……? Zの舌がゆきのアナルに入ってきちゃったんだ」
「……」
私が十五年間手も足も出せなかったゆきの可憐なアナルがZにあっという間に犯されていく。
女性として最も恥ずかしい場所への性的な行為を、出会ってすぐの男に許してしまうゆき。
知りたくなかったかもしれない。いまさらの焦りと後悔、そして制御不能の興奮。
「気持ちよかった?」
「うーん、わかんないよ。おまんこのほうで感じすぎちゃって」
「そのままイカされちゃったのかな?」
「……うん……」
「アナルに舌を突っ込まれてイカされちゃったんだ」
「そうじゃないもん……! イッちゃったのはおまんこで……」
四つん這いのゆきの尻穴にZの舌がねじ込まれる。よだれを垂らして気持ちよがるゆき。
風呂場という狭い空間で互いの肛門を弄りあう行為に没頭する美男美女。
密室で聞こえるのは女の喘ぎ声と二人の興奮した息遣い、それに男への屈服を示す愛液の分泌音だけ。
ここまできたらなし崩しでゆきは最後まで許してしまったのではないか。
真実を知るのは怖いが聞いてしまいたい衝動を抑えられない。
「あの、ひょっとしておちんちんも……?」
「……」
潤んだ目でじっと見つめてくるゆき。
さすがにすぐ否定してくると思ったので焦る。
「Zとアナルセックス……しちゃった?」
「……」
私の顔色を伺うような不安そうな表情。
きっと私も今泣きそうな顔をしている。しかし隠されるほうが辛い。
アナルを犯されているゆきの姿を妄想し、興奮がどっと押し寄せてくる。
「……してないよ……」
目を泳がせて、私を気遣うような憐れむようなそんな表情で言われても……。
いいよ正直に答えて! そう言おうとした瞬間ゆきの顔にいたずらっぽい笑みが広がった。
「ふふふ」
「え?」
「また変な想像してるでしょ……?」
「……」
「黙ってたら勝手にそう思われるかなって試してたの」
「ほ、ほんとにしてないの?」
「実験大成功ー!」
「うぅ……」
「ひょっとしてやりすぎちゃった?」
「辛すぎ……」
「ごめん……」
「ゆきが黙るときは肯定のときというか、都合の悪いときって思ってたから」
「そうだよね」
「だから本当にゆきがアナルセックスしちゃったかと思ってすごい辛くなって、でも興奮しちゃったんだけど」
「なんかその複雑な気持ちが表情から伝わってきて可愛かった」
「それに指や舌挿れられちゃったのは事実でしょ……?」
「……うん……」
少し遠慮がちに認めるゆき。
ゆきはときどき私をからかって楽しむ癖がある。
それもこれも私がゆきに惚れてるからで、惚れてる限りはこうして今後もからかわれ続けるのだろう。
困った顔で辛そうにしている私が可愛くてきゅんきゅんするらしい。